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WEC富士:トヨタ、車重26kg増加も凱旋レース初日を1-2発進。アロンソ「もっと走りたかった」

2018年10月12日 20:41  AUTOSPORT web

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TOYOTA GAZOO Racingの8号車トヨタTS050ハイブリッド
2018/19年WEC世界耐久選手権は10月12日、第4戦富士の走行初日を迎え同日、2回のフリープラクティスが行われた。シリーズ最高峰のLMP1クラスに参戦するTOYOTA GAZOO Racingは両セッションでセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、フェルナンド・アロンソ組の8号車トヨタTS050ハイブリッドと、マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ-マリア・ロペス組7号車トヨタが総合1番手、2番手を獲得。13日の予選に向け好スタートを切った。

 トヨタにとって母国レースとなるWEC富士。過去6戦5勝と相性のいい“地元”富士スピードウェイで2年続けてのワン・ツー・フィニッシュ達成を狙うチームは、コース上に設置された縁石トラブルの影響で長時間の赤旗中断を受けたFP1、FP2で精力的に周回を重ね、同時に両セッションでトップ2を独占してみせた。

 今戦の直前に変更されたEoT(イクイバレンス・オブ・テクノロジー=技術の均衡)よって、トヨタが走らせるLMP1カー『トヨタTS050ハイブリッド』は、これまでよりも26kg重い904kgという車両最低重量で戦うことを余儀なくされる。これはライバルのノンハイブリッド勢に対して圧倒的なパフォーマンスを示しているトヨタのマシンとLMP1プライベーターが使用するマシンのバランスを取るための処置だ。

 この重量追加への対応とマシンの最適化のため、チームは限られた時間のなかでエアロパッケージやハイブリッドシステムの確認を実施し、さらにタイヤの評価も行なっている。

 2台あわせて146周、距離にして666kmを走破した2台のトヨタTS050ハイブリッドはFP2で、8号車トヨタを駆るアロンソが予選用ブーストを使い1分23秒973というタイムをマーク。この日の最速ラップを記録すると、7号車トヨタをドライブするロペスも1.095秒差の総合2番手に続き、ブエミと可夢偉がトップ2を占めたFP1に続いて好調をアピールした。

 チームは引き続きデータ分析を行いながら、13日のフリープラクティス3回目でさらに調整を進め、同日14時30分から行われる公式予選に備える。

■中嶋一貴「赤旗はともかく、すべてがスムーズに進んだ」

「今日はうまくいった。しかし、イエローフラッグとレッドフラッグの連続で僕たちが期待していた周回数をこなすことができなかった」と語るのは初日の全体ベストタイムをマークしたアロンソ。

「WECでは初めての富士なのでもう少し走りたかったが、それでもクルマのバランスの点では好調な一日だったといえるだろう。僕たちはいくつか微調整を行なったが、ベースラインはとても良好でクルマの出来に満足している。明日もトラブルのない一日であることを祈っているよ」

 また、チームメイトの一貴も「赤旗中断はともかく、すべてがスムーズに進んだのは喜ばしいことです」とコメント。

「走行機会が短くなったのにもかかわらず、僕たちのクルマはとても力強かった。多少変更を加えていますが、全体的にはいい状態にあり、気分良くドライブすることができました」

 一方、2回のセッションでいずれも僚友の後塵を拝す形となった7号車トヨタの可夢偉は「僕たちはクルマの最適なバランスを見つけるために努力を続けていますが、まだいくつかこなさなければならない作業があります」と語った。

「両方のセッションで赤旗中断があり、予定していたよりも走ることができませんでした。今後は多くのデータの中からクルマの最適なバランスをとるための材料を探し、明日に向けてクルマを改善していきます」

 2017年にチームに加入したロペスは「僕は昨年、ドライコンディションで富士を走れていなかったから今日はスリックタイヤで走れることを望んでいたんだ」と初日を振りかえった。

「(走り始めに比べれば)クルマは全体的にかなり良くなってきたよ。アタックでもトラフィックに捕まりながらも良いラップタイムを出すことができた」

「まだバランスに関して100%満足しているわけではないから、明日も調整を続けていく必要がある。8号車とのギャップを近づけるために努力を続けていくよ」