WEC世界耐久選手権は10月12日、静岡県・富士スピードウェイで“スーパーシーズン”第4戦富士が開幕し、同日午前からフリープラクティス1回目(FP1)が行われた。途中、赤旗中断となった影響で終了が30分延長となった同セッションはTOYOTA GAZOO Racingの8号車トヨタTS050ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/フェルナンド・アロンソ組)が1分25秒847という最速タイムをマーク。これに小林可夢偉らがドライブする僚友7号車トヨタTS050ハイブリッドが続き、総合3番手にはジェンソン・バトンがドライブしたSMPレーシングの11号車BRエンジニアリングBR1・AERが入った。
2018年から2019年にかけて開催されているWECスーパーシーズン。その日本ラウンドが今年も富士スピードウェイに帰ってきた。
走行初日となった12日は、未明に降った雨の影響でコースの一部が濡れていたものの、セッションスタート時にはウエットとドライが入り交じるダンプ路面に移行。各車はドライ用タイヤを履いてコースに向かった。
コースコンディションやマシン確認のため、多くのマシンが1~2周でピットに戻るなか、可夢偉がドライブする7号車トヨタははじめからタイムを計測。開始6分を過ぎた時点で1分28秒815をマークして首位に立った。
一方、ル・マン24時間を制し富士に凱旋した8号車トヨタは一度ピットに戻ったあと、ブエミが再度コースに出ると1分25秒847を記録。チームメイトを逆転して全体トップに立っている。その後、7号車トヨタを駆る可夢偉は自己ベストを更新し、その差を0.5秒あまりに縮めるが、直後にフルコースイエロー(FCY)が導入され、さらに約5分後の11時17分には赤旗が提示される。
この赤旗は13コーナー出口からレクサスコーナー入口のインに設置されたかまぼこ状の縁石が損傷したことにより発生したもの。修復には約30分の時間を擁し、セッションは11時50分までストップした。セッション再開後、FP1は12時30分の予定終了時間を繰り下げ、13時までに変更された。
序盤にワン・ツーを築いたトヨタ勢はセッション後半、アロンソ、一貴が8号車トヨタを。7号車にはホセ-マリア・ロペス、マイク・コンウェイが乗り込みラップを重ねるも、タイム更新はならず。結局、セッション序盤の順位のままFP1を終えている。
総合3番手にはバトン駆る11号車BR1が、トップと1.043秒差の1分26秒890でつけ、以下アンドレ・ロッテラーらを擁するレベリオン・レーシングの1号車、3号車レベリオンR13・ギブソン、SMPレーシングの17号車BR1までが1分27秒台でトップ6入り。ドラゴンスピードの10号車BRエンジニアリングBR1・ギブソンとバイコレス・レーシング・チームの4号車ENSO CLM P1/01・ニスモはそれぞれ1分29秒台のタイムとなった。
井原慶子がスポット参戦するLMP2クラスは、TDSレーシングの28号車オレカ07・ギブソン(フランソワ・ペロード/マシュー・バキシビエール/ジャン-エリック・ベルニュ組)が1分30秒360を記録してクラス首位に。井原組50号車リジェJS P217・ギブソンはクラス最後方の7番手に沈んだ。
LM-GTEプロクラスはフォード・チップ・ガナッシ・チームUKの66号車フォードGT(ステファン・ミュッケ/オリビエ・プラ組)が1分38秒555のクラス最速タイムをマーク。同じく1分38秒台にポルシェGTチームの91号車、92号車ポルシェ911 RSRが並んでいる。
3人の日本人ドライバーが挑むLM-GTEアマクラスでは、アストンマーチン・レーシングの98号車アストンマーチン・バンテージ(ポール・ダラ-ラナ/ペドロ・ラミー/マティアス・ラウダ組)が最速。星野敏が加入したデンプシー-プロトン・レーシングの88号車ポルシェ911 RSRはクラス4番手につけ、澤圭太組のクリアウォーター・レーシング、61号車フェラーリ488 GTEはクラス6番に。石川資章率いるMRレーシングはクラス8番手となっている。
WEC第4戦富士は12日、15時30分からフリープラクティス2回目から行われる。