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『リーガルV』は米倉涼子×テレ朝の新しい未来を切り開くか “資格がない”元弁護士の勝ち方

2018年10月12日 06:02  リアルサウンド

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 米倉涼子主演ドラマ『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』(テレビ朝日系)が10月11日よりスタートした。


参考:林遣都、『リーガルV』米倉涼子との8年ぶり共演に感激 「おごれる男になれるよう頑張ります」


 まずは、米倉とテレ朝ドラマの関係性に触れておかなければならない。2004年の『黒革の手帖』を皮切りに、米倉はテレ朝のドラマ作品にたびたび主演するようになり、2012年以降、全5シーズンに渡って放送されてきている『ドクターX~外科医・大門未知子~』は、テレ朝、そして米倉を代表する大ヒット作へと成長していった。本来であれば、この10月クールは例年『ドクターX』が放送されてきた枠。しかし、それを米倉の方から「ぜひ新しい挑戦をさせてください」とスタッフにお願いし、『リーガルV』が放送されるに至ったのだ。


 そんな、テレ朝としても、米倉としても新たなスタートとなる『リーガルV』。小鳥遊翔子役で米倉は、『ドクターX』での大門未知子のボブカットから一新し、約20cm切ったショートカットを披露。大門未知子も白衣の中には華やかな洋服を身にまとっていたが、小鳥遊翔子もモードな衣装が印象的だ。小鳥遊は自由奔放でいて、掴み所のない魅力を持った女性である。弁護士資格を剥奪されている“元弁護士”の小鳥遊は、あがり症の若手弁護士・青島圭太(林遣都)、法律学教授経験者であるがペーパー弁護士・京極雅彦(高橋英樹)、ヤメ検弁護士・大鷹高志(勝村政信)、さらに3人の前科者・伊藤理恵(安達祐実)、茅野明(三浦翔平)、馬場雄一(荒川良々)をパラリーガルとして雇い、弁護士事務所「京極法律事務所」を設立。ポイントは、もっともらしい嘘を並べ立て、京極らを利用し、小鳥遊はあくまで“管理人”として、資格がないことを理由に弁護士らしいことは特になにもしないことだ。


 とは言え、“ポチ”こと青島が持ってきた“クズ案件“痴漢冤罪事件が、一部上場企業による見込み利益300億円の案件であることが分かると、突如スイッチが入る小鳥遊。彼女の鉄道好きが功を奏し、京極法律事務所は見事無罪を勝ち取る。しかし、「喜ぶのはまだ早いわ。ここからが本番よ」と小鳥遊は青島に告げ、事件の裏にあった真実を暴き出す。


「人生には意地でも踏ん張らなきゃいけない時があるの。白旗あげちゃいけない時があるの。今がその時よ。あなたにはまだ戦う権利が残されてる」「資格がないと人救っちゃいけないの? 資格がないと困ってる人に手を差し伸べることもできないわけ?」


 傍若無人な小鳥遊であるが、彼女の言動には、元弁護士としての信念が感じられる。初回放送では度々“ドラマ受け”をしてきている『報道ステーション』(テレビ朝日系)でも、「小鳥遊さんカッコイイですね!」とコメントされていた通り、どこか抜け目がなく、かつついつい惹きつけられてしまう女性が、小鳥遊なのである。また、ショートパンツに、はだけた胸元、被告人への色仕掛けなど、随所に差し込まれる米倉の色気溢れるシーンも健在だ。


 かつて所属していたFelix & Temma法律事務所との関係性など、いまだ多くの謎が残るスキャンダラスな小鳥遊。「これで新しい未来に踏み出せる」とは、小鳥遊が無罪となった被告人に言ったセリフだが、どこか米倉本人とも重なる言葉である。“新しい挑戦”としてスタートした『リーガルV』は、テレ朝、そして米倉の新たな代表作となるか。(渡辺彰浩)