世界中で急速に拡大しているツーリングカー規定のTCRを統括するWSCは、2019年1月から新たに『TCRマレーシア』をスタートさせることをアナウンスした。
安価なコストやFIA-GT3のような性能調整(BoP)などにより、カスタマーチームなどから支持されているTCRは、2015年の誕生からこれまでに世界で30以上のチャンピオンシップで使用されている。
TCRの波は日本にも及んでおり、すでにピレリ・スーパー耐久では専用クラスが発足しているほか、全日本スーパーフォーミュラ選手権を運営する日本レースプロモーション(JRP)も、2019年にTCRスプリントレース開催を目指し『日本TCRマネジメント株式会社』を設立している。
そんなTCRがマレーシアにも上陸。TCRマレーシア・チャンピオンシップが2019年1月から2月までの間に3大会/6レースで構成されるウインターシリーズとして開催されることになった。レースの開催地はすべてセパン・インターナショナル・サーキットとなる。
WSCアジアのデビッド・ソナンズチャーは、TCRマレーシアがTCRアジアに参戦しているチームや参戦を検討しているチーム、冬の間レースが行われないヨーロッパのチームにとって最適な環境であると自信を示した。
「(1~2月という)時期の関係から“ウインターシリーズ”と呼んでいるが、この時期のマレーシアは夏と変わらない暑さなんだ」とソナンズチャー。
「このコンディションは冬の間、雪や寒さの影響でマシンを走らせることができないチームやドライバーにとっては最適だし、TCRにとっても次のシーズンに向けて準備を整える素晴らしいプラットホームになる」
「(TCRアジアに参戦している)チームの多くはセパン・インターナショナル・サーキットに拠点を構えているから、彼らにはほとんどコストがかからない。去年、彼らが精力的にオフシーズンテストをこなしているのを見て、彼らにマシンを走らせる、より明確な目標を示してみてはというアイデアが浮かんだ」
「それにレースとテストでは、かかってくるコストも変わってくるからね」
「セパンは照明設備も整えられていて、レース2はその照明を使いながらレースができるはずだ。グランプリサーキットを、これまでにないシチュエーションで走れるという点も、チームは魅力に感じてくれるんじゃないかな」
TCRマレーシアは2019年1月19~21日に第1~2戦が行われて開幕。その後、1月26日に第3~4戦、2月23~24日に第5~6戦が行われる。