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Google「Pixel 3/3 XL」を発表 先進的カメラ機能で“iPhoneキラー”となるか?

2018年10月11日 08:42  リアルサウンド

リアルサウンド

 検索サービス最大手のGoogleは、純正スマホ「Pixel」シリーズやスマートスピーカー「Google Home」をリリースしていることからわかる通り、近年ではハードウェア製品を活発に開発している。こうしたなか、9日、同社の最新ハードウェア製品を発表する「Made by Google 2018」が開催された。そこで発表された最新スマホには、iPhone Xs/Xs Maxにはない、とあるカメラ機能が実装されている。


(関連:「Pixel」の新モデル発表となるか? 10日に「Made by Google 2018」開催!


内容盛りだくさんだった「Made by Google 2018」
 Made by Google 2018では、Google製最新スマホ「Pixel 3/3 XL」(Pixel 3の画面サイズは5.5インチ、XLは6.3インチ)を筆頭に、タブレット端末「Pixel Slate」、Google Homeにディスプレイを追加したスマートディスプレイ「Google Home Hub」が発表された。


 スタンド型無線充電器「Pixel Stand」といった周辺機器の発表もあった。また、発表会では取り上げられなかったが、Wi-Fiを使ってスマホの画面をテレビに出力することを可能とする小型端子「Chromecast」の最新版もGoogle公式ブログで発表された。先月行われた最新iPhoneの発表会では、発表の噂があった無線充電器「AirPower」が発表されなかっただけに、Pixel StandはPixelシリーズをiPhoneシリーズと差別化する製品となることが見込まれる。


 なお、Pixel 3/3 XLとPixel Standはすでに日本版Google直営ストアから注文可能だ。


AR機能が大幅に強化されたPixel 3のカメラ
 発表されたGoogle製品には多数の新機能が実装されているのだが、そんな新機能のなかでも目をひくのがPixel 3/3 XLに実装されたARカメラ機能「Playground」だろう。同機能は、撮影した画像や動画にアニメーションを挿入する、というもの。挿入できるアニメーションのひとつとして、被写体となったヒトの顔の表情に反応して動くアニメーション「Playmoji」がある。同機能はセルフィ―撮影時にも使用できるので、例えばアイアンマンとの自撮りといったシチュエーションも実現する。


 また、以前からPixelシリーズに実装されていた画像認識機能「Google Lens」も進化した。具体的には、カメラの撮影画面に電話番号やURLが含まれていた場合、カメラ画面からすぐに電話をかけたり、ウェブページにアクセスできるようになった。


 その他にもカメラでズームしても画質が劣化しない「Super Res Zoom」、背景がぼやけた画像を撮影できる「ポートレートモード」、暗い場所でも鮮明な画像が撮影できる「Night Sight」が実装された。これらの機能には、AIによる画像処理技術が活用されている。


プロモーションも抜かりなし
 テック系ニュースメディア『The Verge』は、Pixel 3/3 XLのカメラに注目した記事を公開した。その記事では、 発表会で使われたNight Sight機能に関する画像資料を引用している。この画像資料では、同じ暗い場所を撮影したPixel 3とiPhone Xsの画像が比較されている。資料を見る限りでは、確かにPixel 3で撮影した画像のほうが、iPhone Xsで撮影したものより鮮明で明るく感じられる。


 同メディアのほかの記事では、Pixel 3のカメラに関するプロモーション活動について報じている。Googleはファッション誌の出版を手がけるCondé Nastと提携して、Pixel 3で撮影した画像を7つのファッション誌のカバー画像として発表した。そのファッション誌のなかには、映画『ラ・ラ・ランド』で主演した俳優ライアン・ゴスリングを撮影したUS版GQ、女性ラッパーのカーディ・Bを撮影したUS版W Magazineがある。


 さらに、US版ヴォーグ誌のフォトグラファーを務めたことがある著名なアメリカ人写真家アニー・リーボヴィッツとも提携した。同氏は、Pixel 3を使って「世界中の国を旅して、インスパイアされたヒトや景色について撮影する」プロジェクトを進行中だ。


 以上のように先進的なカメラ機能を実装したPixel 3/3 XLに、Googleは「iPhoneキラー」の役割を担わせようとしているのかも知れない。


(吉本幸記)