MotoGP第15戦タイGP決勝レースで、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)と接戦の末2位フィニッシュを果たしたアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム)。アラゴンGPに続く2位表彰台であったが、ドヴィツィオーゾにとってタイGPの2位は、より価値あるものだったようだ。
マルケスとドヴィツィオーゾによるテール・トゥ・ノーズの争いは、レース終盤に繰り広げられた。11周目からトップに立ったドヴィツィオーゾは2番手のマルケスを引き離すことができず、終盤には激しいバトルを展開する。
その争いは最終ラップまで続いた。最終ラップの5コーナーで、ドヴィツィオーゾはマルケスに先行を許す。ドヴィツィオーゾは最後の勝負を、最終コーナーにかけた。マルケスのインに飛び込んだドヴィツィオーゾ。しかし、先にコーナーを立ち上がったのは、マルケスだった。
わずか0.115秒差でマルケスに優勝を譲ったドヴィツィオーゾではあるが、レース内容については手ごたえを感じている。
「最終コーナーの争いで優勝することはできなかったけれど、2位表彰台には満足だよ」
「レースでほとんどトップを走っていたから、マルケスの強さや弱点を把握できなかったんだ。最終ラップの5コーナーではマルケスのオーバーテイクを阻もうとしたんだけれど、少しばかりグリップを失ってしまった。最終コーナーでは、マルケスを抜くのに充分ではなかったんだ」
ドヴィツィオーゾにとっては、レースがキャンセルになったイギリスGPを除けば5戦連続のポディウム登壇。前戦アラゴンGPに続く、連続2位表彰台だ。しかしその価値はドヴィツィオーゾとって、また違うものだったらしい。
「(2位は)残念だった。でも今回の2位は僕にとって、アラゴンでの2位よりも価値がある。昨年、こういう(チャン・インターナショナル・サーキットのような)特徴をもつサーキットでは、優勝争いができるほど充分な強さがなかったからね。僕たちがレースごとに改善し続けているということなのだから、満足しているよ」
ドゥカティ・チーム、そしてドヴィツィオーゾが表彰台争いの常連として、すでに存在感を示していることは間違いない。2018年シーズンも残りあと4戦。チャンピオン獲得に向け王手をかけたマルケスを、どこまで苦しめることができるだろうか。