日本GPでの努力が失敗に終わり、フェラーリF1とセバスチャン・ベッテルのタイトル獲得の望みは消滅しつつある。この現状に対し、イタリアのマスコミはチームとそのドライバーに矛先を向けた。
SF71‐Hの突然のパフォーマンスの低下や戦略上の誤り、さらにはベッテル自身のミスによって、夏にはフェラーリのものになるかと思われていた栄冠を手にするチャンスは、水の泡となった。
フェラーリの熱烈な支持者であったマスコミはこの失態に打ちのめされ、チームとそのメンバーに対して暴言を吐いている。
日本GPでの新たな失態の後、La Gazzetta dello Sport紙は「フェラーリは廃墟と化した」と報じた。
「そこにあるのは間違いを犯す戦略担当者と、ミスからなにも学ばない弱いドライバー、自分のチームを攻撃するチーム代表、そしてパフォーマンスが低迷しているマシンだ。モンツァの前に、これほどの崩壊を想像することはできなかった」
La Stampa紙もまた、次のように同調している。
「もしかしたら運が悪かったのかもしれないが、セバスチャン・ベッテルが正しいことを何もしないというのも事実だ」
さらに、Corriere dello Sport紙は「チームとそのドライバーのみが問題になりうる。ベッテルは深刻な存亡の危機にある」と報じた。
またCorriere della Sera紙は、最終予選でのフェラーリの雑な舵取りに着目したものの、マックス・フェルスタッペンにリスクの高い動きを仕掛けてタイトル獲得の期待を棒に振ったベッテルを攻撃した。
「ベッテルは素晴らしいスタート切ったが、またしても恐ろしいミスを犯して台無しにした。これらのミスは4度のチャンピオンに輝いたベッテルの内にある深い動揺の表れであり、彼は自信喪失の危機にある」
しかしフェラーリの現在の事態を最も的確にまとめたのはLa Rupubblica紙だった。
「ハミルトンがファンジオの持つ記録に迫る一方で、フェラーリのシーズンは失敗に終わろうとしている。ベッテルは最悪の時期を選んで負けた。そして、フェラーリは自分の部下を批判するようなチーム代表のマウリツィオ・アリバベーネの元で、ばらばらになっている」と同紙は伝えた。