FIAは、ベトナムGPを2020年カレンダーに追加すべく、リバティ・メディアとベトナム・ハノイの主催者側と準備作業を進めている。
急速に経済成長が進むベトナムは、バーニー・エクレストンがF1最高権威者だった時代に、F1を開催することを目指していたが、ベトナムによるF1開催の計画は、モータースポーツの伝統がないことを理由に、エクレストンによって却下されていた。
しかし、新たなF1オーナーであるリバティ・メディアが、ベトナム側の強い意志を踏まえ計画を再度推進することに決めた。
F1のレースディレクターを務めるチャーリー・ホワイティングは、第17戦日本GPを前にベトナムに立ち寄り、ハノイ郊外にある開催候補地を訪ねたことを明らかにした。
「コース建設は進展していないが、場所は確定した」とホワイティングは語る。
「現在は設計がかなり進んだ段階だ。私の理解する限りでは、ベトナムGP主催者は2020年のグランプリ開催を目指していると思う。これまでの経験に照らして言えば、この期間設定に無理はないだろう」
ホワイティングはまた、ハノイのコースには一般道とF1用に建設される区間の両方が含まれることになるだろうと付け加えた。
「主に市街地の道路が使われるが、まだ建設前の区画もある」
「そこは空き地で、ピット施設が造られることになる。今は存在していない道が、コースの一部としてそこに建設される。そしてグランプリ開催後は一般の道路として使用される予定だ」
早ければ11月にもベトナムとの契約締結を発表する予定のリバティ・メディアは、ハノイの他に現在準備作業を進めているマイアミも含めて、2020年カレンダーには新たにふたつのグランプリレースを書き加えることを目論んでいる。
一方で、新たな開催地の追加に伴って、F1の年間スケジュールが現行21レースから拡大されるのか、あるいは既存のレースがいくつか姿を消すのかについてははっきりしていない。