2018年F1第17戦日本GP決勝でトップ10に入ったドライバーたちが日曜日を振り返った。
■メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ
ルイス・ハミルトン 決勝=優勝
これからも一戦一戦、目の前のレースに集中して戦っていく。ポジティブな週末を過ごしても、次にもいいパフォーマンスを発揮できるかどうかは分からないんだ。
でも僕らは今年、チームとして力をつけてきていると思う。次のオースティンとは相性がいい。この“ビースト”を解き放つのが待ち遠しい。
この週末、僕らは強さを発揮できたと思う。1-2でフィニッシュすることができた。このサーキットは世界一だ。こういうサーキットをもっと作ればいいのに。走っているすべての瞬間を楽しんだ。今日は思いどおりにタイヤマネジメントをして、ペースを維持することができたから、走るのが最高に楽しかった。
長いことレースをしているが、こういう感覚は初めてだ。今が一番ハッピーなんだ。
(フェラーリについて語り)シーズン中盤まで、彼らはとても強かった。シンガポールから失速し始めたと思う。彼らの勢いが弱まるなんて全く予想していなかった。パフォーマンスが大幅に落ちて、以前ほど強力ではない。
僕はその理由は知らないし、僕が考えるべきことは他にある。僕たちは、ベストを尽くして、自分たちの能力を最大限に発揮することに気持ちを集中させている。
■メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ
バルテリ・ボッタス 決勝=2位
チームにとって完璧なリザルトだ。今週末の素晴らしいパフォーマンスが最高の形で報われた。僕にとっては鈴鹿での初めての表彰台だから、とてもうれしい。
レースがスタートした後、僕は2番手の位置で、その後の展開がだいたい分かった。僕らは1-2でフィニッシュしなければならなかったんだ。自分の今日の仕事は分かっていた。そしてマシンを2位でフィニッシュさせた。自分のやるべきことを把握し、プランを実行したんだ。
予選が僕のレースを決定づけたと思う。昨日、僕はどんどんよくなっていて、僕らチームメイト同士の差はほとんどなくなっていた。彼にチャレンジすることは可能だった。ただ、状況による。ロシアの時のようにね。それでも僕は毎戦自分が向上するよう全力を尽くし、チャレンジしていく。
今年は残りレース数が少ないし、彼はいずれタイトルを獲るだろう。その後どうなるかだね。
今日のセカンドスティント終盤、タイヤのブリスターに少し苦しんでいた。今までの他のレースでもあったことで、ある温度に達するとブリスターができてしまうことは分かっている。だからその温度を超えないよう、プッシュしないようにして、管理に努めていた。
今のF1マシンには本当はもっとポテンシャルがあるけれど、今日のように皆が1回ストップのレースをする場合、全力でプッシュし続けると問題が出てきてしまう。その方が楽しいのは間違いないけどね。
ブリスターができていたけれど、パニックにはならなかった。マックス(・フェルスタッペン)が後ろから来ていて、外からは難しい状況に見えたかもしれないが、僕としては十分なマージンがあると思っていた。マックスがすぐ後ろにいる時に、一度シケインでロックアップしたけれど、それ以外は状況をコントロールできていた。ペースがよかったから、エンジンを多少セーブすることもできた。
今週末はフェラーリがミスをして僕らと戦う位置にいなかった。僕らにとってはついていた。相手はレッドブルだったけど、レッドブルにはフェラーリほどの速さはない。
■アストンマーチン・レッドブル・レーシング
マックス・フェルスタッペン 決勝=3位
ペナルティを受け、セブとのインシデントもありながら、また日本で表彰台に上れたなんて、すごくうれしい。マシンの感触はとてもよく、レースの最初から最後まで上位で戦うことができた。このサーキットでそれができたというのが、なおさらうれしい。
(バルテリ・)ボッタスはいくつかミスをしていたから、最後の数周は必死にプッシュしていたんじゃないかな。でもぴったりついていくのは難しかったから、僕はベストを尽くしつつ、彼がミスをしてくれるのを待った。そうしたら、そのミスをうまく利用するつもりでね。
キミを相手に防御していた時のペナルティについては、不当な扱いを受けたように感じている。コーナーを平気でカットするのではなく、できるだけ早くコースに戻ろうとしていたのに。次は普通にコーナーをカットするよ。
セバスチャンとのインシデントは、今年の中国で僕がしたミスとほぼ同じだね。彼は少し待っていれば、もっと楽に抜けたと思う。経験をたっぷり積んだドライバーでも、プレッシャーがかかるとミスをするってことだね。
さあ次はオースティンだ。素晴らしいところだから行くのが楽しみだよ。いいパフォーマンスを発揮したいね。
(ペナルティについてFormula1.comに語り)シケインの手前でブレーキングをちょっと遅らせすぎた。だから早くコースに戻ろうとしたんだ。安全に戻ったと思う。復帰する時、それほどスピードが出ていなかったから。
でもキミはシケインで間違ったラインを取った。彼は僕がコースに戻ってくるのを待つことだってできたはずだ。確かに軽く当たったけれど、5秒のペナルティだなんてばかげている。それでもなんとかうまく乗り切ることができてよかった。
あれで5秒ペナルティを受けるのなら、次は平気でコーナーをカットすることにするよ。バルテリがやったみたいにね(注:ボッタスは48周目にシケインでロックアップした)。僕はコーナーをできるだけちゃんと回ろうとした。ただコーナーをカットするんじゃなくてね。でも次にどうすべきかははっきりした。
(ベッテルとの接触について語り)あそこのコーナーではオーバーテイクはできないよ。僕は彼にスペースを残しておいたのに、彼はぶつかってきた。
■アストンマーチン・レッドブル・レーシング
ダニエル・リカルド 決勝=4位
簡単にオーバーテイクができて、ポジションをどんどん上げていくことができたので驚いた。自分にはオーバーテイクできないと思っていたわけではなく、このコースでは簡単ではないはずだからだ。でもソフトタイヤでスタートし、ダウンフォースをうまく利用してどんどん追い越していった。今週末、僕らはハイダウンフォースのセッティングで走っていたから、ストレートで弱いんだ。でもコーナーで近づくことができて、ストレートの手前でトウを利用することができた。いいセットアップだった。レース序盤はすごく楽しかった。
ミディアムに換えた時、キミ(・ライコネン)をカバーしようとした。そうして4位は手に入れた。もちろん表彰台に立ちたくて、前で何か起こるのを待っていたんだけどね。それでも少なくとも4位はゲットすることができた。
オーバーテイクをして順位を上げていくのは楽しかった。(レース前に)グリッドで、ヘルムート(・マルコ)が、「4位に届くと思うのは少し楽観的だろう、今日は無理だと思う」と言っていた。だから4位は小さな勝利のように感じる。後方からのスタートだったけど、フェラーリと比べても僕らに速さがあるのが分かった。表彰台に立てたらもっとうれしかっただろうけど、この結果に不満は言えないよ。チームにとっていい結果を出すことができた。最後にひと言、言っておきたい。「アリガトウ、ジャパン!」
■スクーデリア・フェラーリ
キミ・ライコネン 決勝=5位
マックスと接触して、僕のマシンからいくつかパーツが落ちた。左サイドに大きなダメージを負い、その後のレースに影響した。ああいうことが起きて、ついてなかった。ダウンフォースを大幅に失ってしまい、マシンを走らせるのが難しくなってしまったんだ。でも僕にはどうすることもできなかった。
シケインでのアクシデントがなければ僕らのパフォーマンスがどうだったのか、それは知りようがない。週末を通してマシンを向上させていき、どんどんよくなっていたけれど、残念ながらこれが今日のリザルトだ。全体的に厳しい週末で、結果もとても理想的とはいえないものだ。すべてのことを詳しく分析し、次のレースに備えたい。次は普通の状況で戦えるといいね。
(フェルスタッペンとの接触について語り)僕はアウト側にラインを取り、彼にできるだけ多くのスペースを残しておこうとした。彼はコース外から戻ってきた時、縁石で滑って、曲がれなかったのだろう。
■スクーデリア・フェラーリ
セバスチャン・ベッテル 決勝=6位
今日、ガレージを歩いてチームの皆の作業を見ていて、力づけられた。この数週間は楽ではなかったが、皆の気持ちは折れたりしていない。
今日のようなレースは相手にポイントを渡してしまうようなものだし、ポイントスタンディングを見ると、僕らにとって厳しい状況であることは分かっている。僕らには失うものがない。今まですべての力を注いできた。マシンから学べること、理解を深められることが、まだあると考えている。だからこれからも戦い続け、抵抗し続け、今後のレースがどういう展開になるのかを見ていく。
マックスとの接触についてだが、僕はオーバーテイクするためにプッシュしていた。彼が(キミ・ライコネンとの接触の際の行動について5秒加算の)ペナルティを受けていたことを知っていたし、自分たちが速いことも分かっていた。彼のバッテリーは切れていたが、僕の方はエネルギーをセーブしていた。その時、イン側に隙間を見つけたから、飛び込んだ。彼は防御しようとした。それで僕は行き場を失い、接触した。あれはレーシングアクシデントだ。
(Formula1.comのインタビューで語り)僕は彼を抜こうとしていたが、何が何でも抜こうとしていたわけではない。でも彼は誰かが近づいてきたり、隣に並びかけられているのが分かると、すぐにプッシュする。もはやプッシュしてはならない段階になってもだ。僕だって、隙間がなければ飛び込んだりしない。レースをしているのだから、接触しそうになることはある。それでも常に相手にはスペースを残しておくべきだ。
僕はあのアクションをとったことを後悔していない。結果を考えれば、別の行動をとるべきだったとも考えられるが、後からそう言うのは簡単だ。
■サハラ・フォース・インディアF1チーム
セルジオ・ペレス 決勝=7位
いい結果になったね。現実的に考えて僕にとって最高の結果だった。昨日の予選は残念な順位に終わったけれど、そこから大きく浮上した。レースでは最大限の力を発揮できたと思っている。ペースはとてもよかったし、チームも素晴らしい戦略を実行してくれた。
ハースを打ち負かすにはアグレッシブに行く必要があると分かっていた。ピットストップで(ロマン・)グロージャンをアンダーカットできそうだった。でも(シャルル・)ルクレールとのバトルでタイムを少し失っていたせいで、成功しなかった。
でもバーチャル・セーフティカー(VSC)後のリスタートでグロージャンにかなり近づくことができ、チャンスがあると判断したから、抜きにいった。
今日の自分たちのパフォーマンスに興奮している。懸命に攻めて、何度かオーバーテイクをしっかり決める必要があった。そうして素晴らしいレースをすることができたんだ。
■ハースF1チーム
ロマン・グロージャン 決勝=8位
バーチャル・セーフティカー(VSC)のリスタート時に何が起きたのかを分析する必要がある。僕は自分のデルタタイムを守っていて、(セルジオ・)ペレスとの差は2.4秒あったのに、彼に抜かれてしまったんだ。システムに問題がなかったかどうかを確認しなければならない。
僕は自分の仕事をこなしたと思っている。僕らはベストを尽くした。マシンにはいくつか技術的な問題があり、そのせいで楽ではなかった。それがなければ、明らかにもっと上位でフィニッシュできるだけのペースはあったと思う。次にかけるよ。
■サハラ・フォース・インディアF1チーム
エステバン・オコン 決勝=9位
チームがたくさんポイントを獲得できたのはよかったけれど、僕自身は満足していない。昨日のペナルティに最終的な結果が影響したと思うからね。
週末を通して速さを示し、チームとしては4番目の速さがあった。それでも、もっと上位でスタートしない限り、その速さをレースで見せるのは難しい。
今日は楽しい瞬間もあった。何度もオーバーテイクを仕掛けなければならなかった。フレッシュタイヤを履いているときにはペース的に大きなアドバンテージがあり、最終的に僕らの戦略は成功したと思う。最後の何周ではグロージャンに追いついたが、仕掛けるチャンスには恵まれなかった。
■ルノー・スポール・フォーミュラワン・チーム
カルロス・サインツJr. 決勝=10位
今日は楽しかったし、チームとしてとてもポジティブなレースになったと思う。いいスタートをしてポイント圏内近くまで順位を上げた。終盤はオーバーテイクを決めて、ポイントをつかんだ。
13番グリッドから1ポイント獲得が、今日僕らに可能な最大の結果だったと思う。すごくいい成果を出せたよ。
チームはすべてをとてもうまくやり遂げてくれた。戦略もピットストップも、何もかもうまくいったんだ。この週末、自分たちが厳しい場面に直面していることは分かっていたので、ここでの得点には素晴らしい価値がある。この結果をもとに最後の4戦でもいい成果を築き上げていく必要がある。