10月7日、午後2時10分、日本GP決勝が行なわれメルセデスのルイス・ハミルトンがポール・トゥ・ウィンを飾った。
日曜日は、土曜までとは打って変わって朝から晴天に恵まれ、暑いくらいのコンディションで決勝を迎えた。気温は28度、路面温度は40度とこの週末で一番の暑さ。涼しかった金曜日のデータからいかに補正をかけてタイヤをマネージメントできるかが勝負の鍵になる。
フリー走行3回目で赤旗提示中にスローダウンが充分でなかったエステバン・オコン(フォース・インディア)は3グリッド降格ペナルティで11番グリッドに。予選でクラッシュを喫したマーカス・エリクソン(ザウバー)はES(エネルギー・ストア)を2018年シーズン3基目の新品に交換し5グリッド降格ペナルティを科されたが暫定グリッド同様最後尾からスタートする。予選でエンジントラブルに見舞われたダニエル・リカルド(レッドブル)は事なきを得ている。
予選トップ10以外では10番グリッドに繰り上がったシャルル・ルクレール(ザウバー)も含めてソフトタイヤスタートが中心で、ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)だけがミディアムタイヤを選択してスタートに臨む。
スタートで上位勢はグリッド通りスムーズなスタートを切ったが、3列目のトロロッソ・ホンダ勢はやや出遅れてターン1~2までにセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が2台を交わして6番手に浮上する。
ベッテルはスプーンでロマン・グロージャン(ハース)に並びかけてパスし5番手、さらにシケインで右フロントをロックさせてオーバーシュートしたフェルスタッペンがコース復帰の際にキミ・ライコネン(フェラーリ)を押し出すかたちとなり、その隙にベッテルが4番手に上がる。この行為に対してフェルスタッペンには5秒加算ペナルティが科される。
ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)はなんとかフォース・インディア勢を抑えるがハートレーは3周目にはリカルドにも抜かれて11番手まで後退する。
2周目のターン1では後方のルクレールに対してアグレッシブにラインを変えたマグヌッセンがターン1を曲がりきれず接触して左リアがパンク。コース上のあちこちにそのデブリやタイヤの一部が飛び散ったため、4周目にセーフティカーが導入される。ルクレールはピットインしてノーズを交換し、ミディアムに履き替えて最後まで走り切る戦略に賭ける。5周目にはエリクソンも同様にピットインしミディアムに換える。
順位は首位ハミルトン、2番手ボッタス、3番手フェルスタッペン、4番手ベッテル、5番手ライコネンの上位勢。中団トップは6番手グロージャンで7番手ガスリー、8番手セルジオ・ペレス(フォース・インディア)、9番手オコン、10番手リカルド、11番手にブレンドン・ハートレー(トロロッソ・ホンダ)という順になった。
レースは8周目に再開。良好なリスタートを切ってフェルスタッペンの背後に迫ったベッテルはスプーンで鋭くインに飛び込むがフロント、リヤと順に接触しスピンオフ。これで最後尾まで後退することとなってしまった。フェルスタッペンはコースオフを喫するもののなんとか3番手をキープする。
リカルドは11周目のシケインでインを突いてペレスを抜き7番手へ。ベッテルは最後尾から追い上げていくが追い抜きが難しい鈴鹿だけに少しずつしかポジションを上げていくことはできない。
ハミルトンはターン2やターン5などでエンジンにヘジテーションがあると訴えるが、好ペースで走り続け2番手ボッタスをじわじわと引き離していく。
17周目、スーパーソフトタイヤでスタートした4番手のライコネンが先陣を切ってピットイン。カルロス・サインツJr.(ルノー)の前9番手でコースに復帰するがフォース・インディア勢の後方で苦しい走りを強いられる。
フェルスタッペンは21周目にピットインし、フォース・インディア勢を抜いたもののガスリーに引っかかっていたライコネンの前でコース復帰。2番手ボッタスと3番手に上がっていたリカルドは23周目にピットインし、リカルドがライコネンの前4番手でコースに戻りオーバーカットを成功させた。
首位ハミルトンはファステストラップを記録しながら24周目まで引っ張ってトップのままコースに戻った。これで上位勢はミディアムに履き替えて最後まで走り切るだけになったが、その中でフェルスタッペンだけはソフトタイヤを選択している。
24周目にピットインした8番手ペレスは中団グループの最後方17番手まで後退。26周目にオコンとベッテルがピットインするがペレスの前には行けず。29周目にグロージャンがピットインし、ペレスは29周目から30周目のメインストレートでルクレールを抜くがグロージャンが僅かにその前に割って入りアンダーカットを阻止した。
同じ29周目にピットインしたガスリーはソフトタイヤに履き替え、ミディアムタイヤで最後まで走ろうとしているザウバー勢の後方に戻り苦しい展開となる。28周目にピットインしたハートレーはさらに後方のストロールの後ろに抑え込まれることになった。
サインツが32周目にピットインして後退してミディアムタイヤを選択。ガスリーは32周目から33周目のターン1でエリクソンを抜いて11番手へ。34周目のシケインではルクレールのインに飛び込んで10番手まで挽回してきた。ハートレーもタイヤに苦しむウイリアムズ勢を抜いてポジションを挽回し、ザウバーのエリクソンを追いかけていく。35周目、左リヤのブリスターが酷いルクレールはピットインしてソフトタイヤに交換する。
全車がピットストップを終えて首位ハミルトン、5秒離れて2番手ボッタス、1.5秒差で3番手フェルスタッペン、5秒差で4番手リカルド、7.5秒差で5番手ライコネン、そこから40秒離れて6番手ベッテル。
中団トップは7番手グロージャンで、その後方はペレス、オコン、ガスリー、サインツがつかず離れずのギャップで走行する。40周目にルクレールがマシントラブルでデグナーでコースオフしヘアピン手前でストップ。バーチャルセーフティカー(VSC)が出されるがレース展開に影響は出なかった。
ペレスはVSC解除のタイミングでグロージャン攻略に成功するが、不正な加速だとグロージャンは訴える。レースコントロールからはペレスに順位を戻すよう指示は出ず、オコンはグロージャンに迫っていき、10番手ガスリーはこの争いについていくことができずサインツからプレッシャー受けることになる。そしてハミルトンに周回遅れにされた直後の49周目のメインストレートでガスリーはサインツに抜かれ、入賞圏からこぼれ落ちてしまう。
一方2番手ボッタスは43周目のヘアピンで周回遅れにひっかかりフロントをロックさせてフェルスタッペンが背後に迫る。フェルスタッペンもエンジンに問題を抱えショートシフトを余儀なくされるが、ボッタスもタイヤが厳しく、両者は激しいバトルになるが最後まで抜けず。
ハミルトンは後続を寄せ付けず独走で53周を走り切り優勝。通算71勝目、鈴鹿3連勝を飾った。ボッタスが12.919秒遅れで2位、フェルスタッペンは3位、4位リカルドとは5.2秒差でフィニッシュ。5位ライコネン、6位ベッテルは最終ラップに1分32秒318のファステストラップを刻んだ。7位ペレス、8位グロージャン、9位オコン、10位サインツで、トロロッソ・ホンダ勢はガスリーが11位、ハートレーが13位で悔しいノーポイントに終わった。