サービスパークで修理を受けるオット・タナクのトヨタ・ヤリスWRC WRC世界ラリー選手権第11戦ラリーGBは10月6日、SS10~18が行われ、前日総合首位だったオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)がメカニカルトラブルによりリタイア。代わってセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)がトップに浮上した。
前日の競技2日目に総合首位へ浮上したタナクは、6日(土)の競技3日目も好調を維持。SS15を終えた時点で総合2番手に対し、41.9秒の大量リードを構築する。
しかし続くSS16のスタートから3.7km地点でメカニカルトラブルが発生してしまい、走行を続けられずデイリタイアを余儀なくされた。
トラブルの詳細についてTOYOTA GAZOO Racing WRTのチーム代表を務めるトミ・マキネンはWRC公式サイト『WRC.com』に対し「現時点でなにが起きたか完全にはわかっていない。私が思うに、まずサンプガードが壊れ、その次にラジエーターが壊れ、その結果として水圧が下がってしまったんだろう。本当に残念だ」と述べている。
タナクのリタイアにより、総合首位には王者オジエが浮上した。前日、ギヤトラブルにより総合5番手まで後退していたオジエは「リスクを背負ってでも攻めにいく」としていたとおり、SS10でトップタイムを刻んで総合3番手までジャンプアップを果たす。
続くSS11では、総合2番手につけていたティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)が右コーナーを曲がりきれず、溝に転落してしまい、45秒以上のタイムをロスしてしまう。
これで総合2番手に浮上したオジエは、上述したタナクのアクシデントもあり、総合首位に浮上することに成功した。
「今日はスタートから激しいバトルが続いていた」とオジエ。
「アクセル全開で攻めていたから、結果には満足しているよ。文字どおり全力を尽くしたし、明日もそうするつもりだ」
「オット(タナク)のことは残念に思う。彼は今週末、別次元の速さを発揮していたからね」
そのオジエと4.4秒差の総合2番手にはヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)、11.8秒差の総合3番手にはエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)がつけており、優勝争いは接近戦となっている。
トップから13.5秒遅れの総合4番手はクレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC)、総合5番手はマッズ・オストベルグ(シトロエンC3 WRC)のシトロエン勢が確保しており、ヒュンダイ勢最高位はアンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)の総合6番手だ。
競技最終日となる7日はSS19~23までの5SSで争われる。このうちSS20はステージ上位5名にボーナスポイントが与えられるパワーステージとして実施される。