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乃木坂46、22ndシングル選抜に見るグループの“今” 相次ぐ卒業に応える次世代メンバーに期待

2018年10月07日 07:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 乃木坂46が9月30日放送の『乃木坂工事中』(テレビ東京系)にて、22ndシングル『タイトル未定』の選抜メンバーを発表した。


参考:乃木坂46 若月佑美、11月に卒業へ グループの基盤を作った“舞台演劇”における功績


 本作は、『シンクロニシティ』以来の14福神(1列目2列目が14名)となっており、先日卒業を発表した西野七瀬が一列目センター、若月佑美が2列目センターをそれぞれ担当。また、3期生から佐藤楓と伊藤理々杏が初抜擢されたほか、梅澤美波、与田祐希、山下美月、大園桃子も選ばれるなど、次世代メンバーの勢いも感じられる布陣となった。


 今回の選抜メンバーについて、『「アイドル」の読み方: 混乱する「語り」を問う』の著者であり、乃木坂46に詳しいライターの香月孝史氏に話を聞いた。


「先日卒業を発表した西野七瀬さんと若月佑美さんが、1列目と2列目のセンターにそれぞれ配置されています。今回のシングルとその布陣は、これまで乃木坂46の認知度や活動領域の幅を広げてきた二人が卒業し、新たな段階に入る節目の楽曲として記憶されるものになるでしょう。他方で、1期生から卒業するメンバーが続いている分、グループとしては新しい世代のメンバーを世の中に周知していく必要性も生じます。今作でも積極的に3期生を選抜メンバーに入れており、前作、前々作からの流れで、今年はグループの循環を視野に入れる動きが継続している印象です。3期生としては伊藤理々杏さん、佐藤楓さんが初めて選抜に入ったほか、『七つの大罪 The STAGE』への単独出演をはじめ、舞台『星の王女さま』でも主要キャラクターを演じて個人活動で頭角を現している梅澤美波さん、すでにフロントメンバーとしての経験を重ねている山下美月さんや与田祐希さんら3期生メンバーが多く1列目に入ってきています。去年は舞台公演やライブなど、3期生単独での活動が中心でしたが、今年の各シングルでは選抜入りするメンバーも増えてグループ全体に3期生が溶け込みながら順調にステップアップしています」


 8thシングル「気づいたら片思い」で初センターを飾り、9thシングル「夏のFree&Easy」、11thシングル「命は美しい」で単独センターを務め、17thシングル「インフルエンサー」や19thシングル「いつかできるから今日できる」などでもWセンターを務めてきた西野七瀬。今回、シングル表題曲で単独センターを務めるのは11thシングル「命は美しい」以来、約3年半ぶりのことだ。


「西野さんが初めてセンターを務めた「気づいたら片思い」から、彼女にはしばしば“儚さ”のイメージが投影されがちだったように思います。しかし、その“儚さ”ばかりに彼女の特徴を代表させるのは、少しもったいない気がします。西野さんが卒業発表した際の記事でも触れましたが、乃木坂46はキャリアを重ねる中でアイドルが“自然に成熟していく姿”をグループの表現として見せることに成功しています。そして、そうした表現を築いてきた近年の乃木坂46で、中心人物となっていたのが西野さんでした。それを考えれば、乃木坂46の全体的な基調を作るうえで、想像以上に大きな役割を果たしているのではないかと思います。その彼女の集大成にもなる今作の楽曲やMVなどで、円熟期にある乃木坂46がどのような表現を提示するのかが楽しみなところです」


 香月氏は「3期生が順調に成長していく中で、2期生メンバーの今後にも注目したい」と語る。


「グループの循環を象徴的に担う役割を3期生が背負っているだけに、気になるのは2期生メンバーをどのように見せていくかです。今回も選抜入りしている堀未央奈さん、新内眞衣さんらはすでに選抜メンバーとしての実績を重ねていますが、それぞれのスタイルでキャリアを積みつつある他の2期生メンバーを、いかに目立たせていくか。シングル表題曲の選抜は人数に限りがあるためどうしてもバランスを取るのが難しくなると思いますが、今後も引き続き課題として注視していきたいところです。乃木坂46のカラーや体制が整い、社会的な認知度も高くなった段階で加入した3期生と、グループの形をまだ模索していたデビュー翌年時点で加入した2期生とでは、置かれた環境を単純に比較することはできません。けれども、グループのさらなる好循環を期待する意味でも、2期生が継続的に目立つ場所が作られればよいなと思います」


 1期生の主要メンバーが卒業していく中、今後を託された2期生、3期生メンバーはどのような成長を遂げていくのか。まだ表題曲のMVやカップリング曲の詳細は発表されていないため、今後はその布陣にも注目が集まるだろう。(泉夏音)