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まさかの予選9番手。自らのミスで敵に塩を送ってしまったベッテル。Q3の雨タイヤ選択に「外からは愚かに見えるかもしれない」

2018年10月06日 20:11  AUTOSPORT web

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F1日本GP鈴鹿、予選後のインタビューに渋い表情で応えるフェラーリのベッテル
予選Q3の直前に降った雨を見て、予選Q3をインターミディエイトでスタートしたフェラーリの2台。しかし、Q3に進出した他のライバルたちはドライのスリックタイヤを装着。アウトラップでインターミディエイトが失敗だと悟ったフェラーリの2台は、すぐにスリックタイヤに交換してコースイン。

 しかし、セバスチャン・ベッテルは最初のアタックでは2コーナーでコースアウトし、タイムをきちんとマークできずにいると、そこから雨が強くなり出して実質アタックは終了。ランキングトップのルイス・ハミルトンを追いかける立場ながら、ポールのハミルトンに対してまさかの予選9番手に終わってしまった。予選後のベッテルに聞いた。

──予選Q3の最初、インターミディエイトタイヤを装着しましたが、いったい何が起きたんですか。

ベッテル:見たでしょ。見ての通りだよ(苦笑)。

──でもピットロードでアタック開始を待ってる時点で、あなたはすでに「路面は乾き過ぎてる」と無線で伝えてましたよね。

ベッテル:そう、たしかにその通りなんだけど、結果的に5、6分後に、大雨が降ったよね。そんな雰囲気はたしかにあったんだ。実際にはすぐに雨は降り出さなくて、僕らの決断は間違っていたことになったんだけど、でもすごく難しいコンディションだったことはわかってほしい。そういう時は正しい決断と誤った決断とで、明暗を分けるものさ。だからこのことで、誰かを責めようとは思わない。

──実際にこの決断を下したのは、誰だったんですか?

ベッテル:それを聞いてどうするの? 僕らの決断だよ。

──そのあと本格的に雨が降り出した時には、逆にスリック(スーパーソフト)でアタックを敢行した。

ベッテル:外からは愚かに見えるかもしれない。でも、あの時は路面コンディションは十分に行けるように見えたんだ。繰り返すけど、この決断はチーム全体のものだし、もし僕らが予想してたようにあと数分早く本格的な雨になっていたら、僕らのインターミディエイトの作戦が奇跡を呼んでいたはずだったんだ。

──予選Q2でメルセデスはソフトを履いたにもかかわらず、フェラーリよりはるかに速かった。あのペースには、驚かされましたか?

ベッテル:いや、そんなことはないね。固いコンパウンドだからといって、必ずしも遅いわけじゃないから。

──マックス(フェルスタッペン)は予選後に、「もはや今年のタイトル争いは片が付いた」と言ってます。(ルイス)ハミルトンが今年もチャンピオンになるという意味ですが、あなたはまだそうは思わない?

ベッテル:彼にとっては、そうかもしれないね。

──あなたにとっては?

ベッテル:あのグリッド位置から追い上げるのは、たしかに簡単なことじゃない。でも、明日のレース展開を見てみようじゃないか。

──イタリアGP以降、予選ではフロントロウを取れず、それが直接レース結果に反映しているような印象です。

ベッテル:結果はそうだけど、そんなにメルセデスから引き離されてるとは思っていない。ここ数戦、ちゃんとした結果が予選でもレースでも出せていないことは、しっかり分析する必要があるけどね。

──通常のコンディションだったら、鈴鹿でのQ3はメルセデスと互角に戦えた?

ベッテル:難しい質問だね。でも僕らはレースペースより、一発の速さの方がややよかったけどね。

──フリー走行でペースがかなわず、選手権でのポイント差が広がっている。それが今回のギャンブルに繋がったのでは?

ベッテル:そうは思わない。さっきも言ったように、こういうコンディションでは多かれ少なかれギャンブル的な側面は出てくるものなんだ。