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WEC:トヨタ、6戦5勝の“地元”富士で6勝目を。小林可夢偉「目標は母国1-2フィニッシュ」

2018年10月05日 19:51  AUTOSPORT web

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TOYOTA GAZOO Racingは2017年の勝利を含めWEC富士で5勝を挙げている
2018年から翌2019年にかけて行われているWEC世界耐久選手権“スーパーシーズン”の第4戦が10月12~14日、静岡県・富士スピードウェイで行われる。同シリーズに参戦するTOYOTA GAZOO Racingにとっては母国レースとなる富士で、チームは今季3勝目と富士での通算6勝目を目指す。

 トヨタのお膝元として知られる富士スピードウェイは、1000馬力を誇るトヨタTS050ハイブリッドのレーシングハイブリッド・パワートレインが開発されたトヨタ東富士研究所からほど近く、また首都圏に近いことから多くのモータースポーツファン、トヨタファンが訪れるTOYOTA GAZOO Racingの“ホームグラウンド”だ。

 この富士でずば抜けた勝率を誇るトヨタは、過去6戦中5勝という成績を残しており、悲願だったル・マン24時間の総合優勝を見事ワン・ツー・フィニッシュで果たした2018年の同大会でも当然勝利を狙う。

 特に今回は、前戦のシルバーストン6時間で2台揃って失格となったことで、LMP1チームズポイントで2番手につけるレベリオン・レーシングに3ポイント差まで迫られている。そのためチームは“スーパーシーズン”の折返しとなるこの富士ラウンドでふたたびワン・ツー・フィニッシュを決め、ポイント差を広げることを目標にしている。

 なお、チームは世界屈指のロングストレートを有する富士スピードウェイでも、第3戦で今季初投入したハイダウンフォース仕様のエアロパッケージを2台に投じる予定だという。

■アロンソ「10年ぶりに富士の表彰台中央からの景色が見たい」

「日本でレースを戦えるのは本当にうれしいことですし、特に、富士スピードウェイは僕にとってお気に入りのサーキットのひとつです」と語るのは8号車トヨタTS050ハイブリッドを駆り、ル・マンの優勝ドライバーの仲間入りを果たした中嶋一貴。

「富士はチャレンジングなレイアウトで、特に耐久レースにおいては他クラスの車両をかわさなくてはならないため、そこでタイムをロスせずにいられるかが勝利を決めます」

「これまで、富士では何度も良いレースを戦ってきているので、今年もそれが再現できることを祈っており、願わくは、また表彰台の最上段に立ちたいと思っています」

 2018/19年シーズンから一貴のチームメイトとなったフェルナンド・アロンソもまた「トヨタチームの一員として初めて迎える富士のレースを楽しみにしている」と語る。

「(チームの誰にとっても)とても大事なホームレースだから、週末へ向けて気合が入るよ。僕自身は(過去に)F1で富士を走っており、とても良く知っているし、2008年のF1日本グランプリで勝利を挙げたという良い思い出のあるコースでもあるんだ」

「10年ぶりに表彰台の中央からの景色が見られることを望んでいるし、それはチーム、ドライバー両方のタイトルを争う上でも重要になるはずだ」

■「“失格”から気持ちを切り替え、万全の準備をしてきた」と村田久武チーム代表

 また、2016年に自身初のWEC優勝を富士で飾った7号車トヨタTS050ハイブリッドの小林可夢偉は「富士はとても相性の良いコースですし、日本のファンのみなさまの前で最高のパフォーマンスを披露できるはずです」と自信を覗かせる。

「(トヨタはここ富士で)2012年以来、6戦中5勝を挙げていますが特に2016年、私にとっては忘れることができない感激のWEC初勝利を挙げた場所です。ル・マンを終えた今季、今もっとも大切な目標は、トヨタが母国でワン・ツー・フィニッシュを果たすこと。トヨタのホームコースでのレースが待ち遠しいです」

 さらに、TOYOTA GAZOO Racing代表の村田久武氏は、まもなく迎えるWEC富士に対して次のように語り、可夢偉と同様に2台のワン・ツー達成を目標に掲げた。

「前戦シルバーストンの決勝レース後の裁定は、厳しいものとなってしまいました。しかし我々は、気持ちを切り替え、富士大会に向け万全の準備をしてきました」

「特にこの富士では多くのファンのみなさまや、関係者の方々の温かい励ましのおかげでいつも以上にチームの士気が高まります。念願のル・マン初優勝を遂げた後の凱旋レースにふさわしい姿をお見せできるよう、チーム一丸となって戦いたいと思います」

「我々にとって富士大会は、ル・マン後のもっとも重要な一戦ですので、ワン・ツー・フィニッシュを目指して頑張ります」

 10月12日に開幕するWEC“スーパーシーズン”第4戦富士は、12日(金)に90分間の公式練習走行が2回行われ、13日(土)は1時間の公式練習走行に続き、20分間の予選で決勝のスターティンググリッドが決定される。そして最終日の14日(日)午前11時に6時間レースのスタートが切られる予定だ。