10月5~6日に、宮城県のスポーツランドSUGOで開催された全日本F3選手権の第7ラウンド。このレースでは4レースとも坪井翔(カローラ中京 Kuo TOM'S F317)が優勝を飾り、第15戦で2018年のチャンピオンを決めている。今季の全日本F3は10月19~20日の富士大会のみだが、ここで坪井には記録更新のチャンスが出てきそうだ。
全日本F3選手権参戦3年目となる坪井は、今季は開幕ラウンドの鈴鹿で連勝。さらに続く第2ラウンドのSUGOでも連勝を重ねた。第3ラウンドの富士では、5連勝を飾るも、続く第6戦でまさかのスタート失敗。ファイナルラップで1秒差まで追い上げるも、チームメイトの宮田莉朋(カローラ中京 Kuo TOM'S F317)に初優勝を譲っていた。
この坪井が打ち立てた10連勝/年間15勝という数字は、2001年に全日本F3選手権が1ラウンド2レース以上で開催されるようになってから、最多タイのものとなっている。これまでの記録は、連勝記録は2010年に国本雄資(PETRONAS TEAM TOM'S・10年にチャンピオン獲得)が開幕からマークした10連勝、最多勝は01年にブノワ・トレルイエ(無限×童夢プロジェクト・01年チャンピオン)がマークした15勝だ。なおトムス勢では2003年にジェームス・コートニーが、13年には中山雄一が年間13勝を記録している。
なお、チーム部門とエンジンチューナー部門のタイトルもすでにカローラ中京 Kuo TEAM TOM'Sとトムスが獲得しているが、チーム部門はカローラ中京 Kuo TEAM TOM'Sが全戦フルポイントの10点を加算し続けている。2013年は中山と勝田貴元により15戦中13レース、2010年は国本とラファエル・スズキにより16戦中13レース、09年は井口卓人、国本、マーカス・エリクソンにより16戦中14レースでフルポイントを獲得しているが、今季19戦すべてで10点加算となるのかも注目のポイントだろう。
宮田はいつも坪井との僅差の戦いを演じているし、後半戦に調子を上げている笹原右京(THREEBOND)も、もてぎ戦以降良好なセットアップを見出した金丸悠(B-MAX RACING F3)も表彰台圏内をうかがい続けている。「勝って当たり前の状況ではなかったですし、難しいところもありました」と坪井は第17戦の後に語ったが、決して見た目以上に“楽勝”ではなかった中でのこの数字は、賞賛されるべきものだろう。