大型で強い台風第25号の接近は、F1第17戦日本GPに少なからず影響を与えている。
木曜日に鈴鹿サーキットに到着予定だったカストロールのエンジンオイルが到着せず、カストロールのエンジンオイルを使用しているルノーとマクラーレンが、グランプリ開幕前日になっても、パワーユニットを始動することができなかったのだ。
そのため、この2チームは木曜日の夜から金曜日の朝にかけて設けられているカーフュー(作業禁止時間)を破って、フリー走行の準備を行わなければならなかった。
通常のカーフューを破るというケースは、前夜からの作業がカーフューの開始時間までに終わらず、深夜すぎまでガレージで整備作業を行う場合が多い。しかし、今回はエンジンオイルが届かないため、木曜日の作業は通常よりも早く終了した。
では、ルノーとマクラーレンはなぜ、年に2回しか許されていないカーフューを、今回の鈴鹿で破ったのか。それは、東京に到着したカストロールのエンジンオイルが税関の検査を終えて鈴鹿に到着するのが、金曜日の早朝となったため、未明にサーキットに入ったからだ。
木曜日から金曜日にかけてのカーフューは、木曜日の夜11時から金曜日の朝7時までの8時間が対象となっている。ルノーのスタッフによれば、通常はカーフュー明けの朝7時入りするところ、今回は朝5時にサーキットに入り、オイルの到着を待っていたという。朝6時ごろにオイルは無事到着。朝8時にエンジンに火が入ったという。
しかし、今回のケースはチームの事情ではなく、台風という不可抗力が理由であることが明らかだったため、FIAは「今回のルノーとマクラーレンに関しては、カーフューを破ったことにカウントしない」という大岡裁きを下している。