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ランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジアシリーズ 2018第5大会上海 レースレポート

2018年10月05日 13:41  AUTOSPORT web

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第5大会上海レース1を制したクラッツィオ・レーシング
クラッツィオ・レーシング、上海でランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジア3勝目を勝ち取る

●コッツォリーノ/ヤジドがポールポジションから終始圧勝

●PRO-AM優勝はライパート・モータースポーツのエスケリネン/プハッカ

●第10戦は、11月のワールドファイナル開催前となるアジア最後レース

【中国、上海(2018年9月22日)】
 中国の上海インターナショナル・サーキット開催のダブルヘッダーの初日、クラッツィオ・レーシングがポールポジションから終始圧倒的な走りを見せ、ランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジア3連勝目を勝ち取りました。一時は2位に10秒の差を付けたクラッツィオ・レーシングは、ライパート・モータースポーツのベン・ゲルセコウスキー/リチャード・マスカットとFFFレーシング・チーム・バイACMのアンドレア・アミチ/アルトゥール・ヤノスの両者を制してチェッカーフラッグを走り抜けました。
 
 PRO-AMでは、ライパート・モータースポーツのミコ・エスケリネンとユーソ・プハッカが今シーズン4回目となる優勝を果たしました。最後から2周目でプハッカがFFFレーシング・チーム・バイACMのプロ・ドライバー、ジェームズ・プルを追い抜き、フィンランド出身のエスケリネン/プハッカは総合でも4位に入賞しました。PRO-AMの表彰台2位に上ったのは、ガマ・レーシングのエバン・チェンと浅井亮博、3位はホージャスト・レーシングの松本武士と落合俊之でした。
 
 AMの優勝を飾ったのは、中国人ペアのビアンとパン・チャオ。ランボルギーニ・カップでは香港出身の852チャレンジャーズ、ポール・ウォンとクレメント・リーがGDLレーシングのガブリエル・ムローニを制し、同クラスのスタンディング順位の差を広げました。
 
 PROカテゴリー1位は依然として109ポイントのアミチ/ヤノス。2位のバーソロミュー/プルとは18ポイントの差です。さらに2ポイント遅れでゲルセコウスキーが3位に続き、5レース前からのシリーズ途中参戦のコッツォリーノ/ヤジドは4位に入っています。PRO-AMではエスケリネン/プハッカがチェン/浅井をわずか2ポイントながらリードし、AMではトゥルーヴィジョンズ・モータースポーツ・タイランドのボビー・ブンチャロエンが1位に。ランボルギーニ・カップの首位はウォン/リーで、後にムローニが続いています。
 
 上海インターナショナル・サーキットはF1中国グランプリも開催される5.451キロのコース。午前中に行われた予選で、コッツォリーノは2分04秒651というラップタイムでポールポジションを獲得しました。ランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジアPROカテゴリー連勝中のコッツォリーノ/ヤジドは、勢いに乗って3連勝を狙います。
 
 コッツォリーノに並ぶのは松本、セカンドローにはアミチと浅井が入ります。ゲルセコウスキーはグリッド5番手からのスタートになりました。同じライパート・モータースポーツのエスケリネンも、サードローのゲルセコウスキーの後ろに並びます。グリーンランプが点灯しローリングスタートが開始されると、首位コッツォリーノの後ろでゲルセコウスキーがグリッド5番手から2番手に浮上。最高のスタートを切ることのできなかったアミチは後れを取り順位を下げますが、すぐに取り戻し3番手に上がってゲルセコウスキーの背後にぴたりと付けます。
 
 オープニングラップを終える頃には、コッツォリーノを先頭に、1.3秒空けてゲルセコウスキーとアミチ、その後にPRO-AM先頭の松本、僅差で後を追うチェンが続いていました。ゲルセコウスキー、アミチ、松本が激しい2番手争いを繰り広げる一方で、コッツォリーノはこの機を捉えてリードを広げ、4周目の終わりには後続に5秒以上の差を付けます。
 
 アミチはゲルセコウスキーに猛攻をかけますが、ゲルセコウスキーはそれによく耐えます。松本が少し後退したことで、2番手はゲルセコウスキーとアミチがテールトゥノーズの一騎打ちの展開に。先頭集団の後方では、スタート後に順位を落としたエスケリネンが、同じPRO-AMクラスのチェンを追い上げていました。
 
 AMの先頭はパン。ランボルギーニ・カップではYHレーシング・チームで今シリーズ初参戦のヨシハラ・ダイが、ムローニとウォンの先を走ります。ピットウィンドウがオープンしたときに最初にピットインしたのはウォンでした。リーに交代し、チームのポジションアップを狙います。リーは早めの交代で得た時間を活用し、ライバルたちのミスも幸いして順位を上げ、シーズン6勝目のクラス優勝を果たしました。
 
 コッツォリーノがヤジドに交代する頃には、クラッツィオ・レーシングのリードは10秒にまで積み上がっていました。ヤジドのスティント前半ではこのアドバンテージを維持。十分なリードはあったものの、レースにはまだ劇的な展開が待っていました。
 
 15周目、3番手を走っていた落合と猛追する4番手ヤノスとの間で接触があり、落合がスピン。ヤノスはコッツォリーノとマスカットに続いて3番手に上がる一方で、落合はFFFレーシング・チーム・バイACMのジェームズ・プルに抜かれ、5番手に落ちます。マスカットはヤジドを追い上げ、ラップごとに間隔を狭めていき、チェッカーフラッグ通過時には差を3秒まで縮めていました。
 
 プハッカは落合に迫り、17周目にはPRO-AM首位を奪って総合でも5番手に浮上。突進するプハッカの勢いは止まらず、次にプルを狙います。イギリス出身のプルとの差を詰めたプハッカはついに追い抜きに成功し、総合4位に入りました。

アミチ/ヤノスが上海でランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジア5勝目を祝う
●シーズンフィナーレ前にアミチ/ヤノスがチャンピオンシップのリードを広げる

●FFFレーシング・チーム・バイACMがワン・ツー・フィニッシュ

●PRO-AM優勝と総合3位は松本/落合

【中国、上海(2018年9月23日)】
 FFFレーシング・チーム・バイACMのアンドレア・アミチとアルトゥール・ヤノスが、上海インターナショナル・サーキットでランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジア5勝目となる勝利を収めました。現在チャンピオンシップ首位のアミチ/ヤノスは、力強いスタートで序盤にリードを広げたことで難攻不落のアドバンテージを築き、他を寄せ付けない強さで11秒以上の差を付け、チェッカーフラッグをくぐり抜けました。
 
 2位に同チーム#19のジャック・バーソロミュー/ジェームズ・プルが続いたことで、FFFレーシング・チーム・バイACMのワン・ツー・フィニッシュとなりました。3位に入ったのはホージャスト・レーシングの松本武士/落合俊之で、同時にPRO-AMの優勝も果たします。総合4位でフィニッシュラインを通過したのは、ライパート・モータースポーツのベン・ゲルセコウスキー/リチャード・マスカット。昨日のシリーズ第9戦を制したクラッツィオ・レーシングのケイ・コッツォリーノ/アフィク・ヤジドは5位でした。
 
 イタリア・ヴァレルンガで11月に開催されるシーズン最後の2レースとワールドファイナルを前に、シリーズ最後のアジア開催レースとなる本日の第10戦の結果、アミチ/ヤノスがPRO首位のリードをさらに広げました。それぞれイタリア、ポーランド出身の2人は現在124ポイントで、同じチームのバーソロミューとプルに25ポイントの差を付けています。スタンディング3位はゲルセコウスキーです。
 
 競争が特に激しいPRO-AMカテゴリーでは、ライパート・モータースポーツのミコ・エスケリネン/ユーソ・プハッカとガマ・レーシングのエバン・チェン/浅井亮博の両者が120ポイントで首位タイとなっています。続く3位には松本/落合が入っています。AMクラスでは、今日も優勝を勝ち取ったトゥルーヴィジョンズ・モータースポーツ・タイランドのボビー・ブンチャロエンが同カテゴリーでのリードを伸ばしました。ランボルギーニ・カップでは香港のポール・ウォンとクレメント・リーが2連勝し、GDLレーシングのガブリエル・ムローニを抑えて首位の座を固めました。
 
 グリーンランプ点灯後、ポールシッターのヤジドが後方に順位を落とすそばで、ヤジドの横からスタートしたプハッカが猛進してリードを奪いました。ヤノスが3番手に続き、その後をヤジドと、グリッド8番手から浮上してきたマスカットが追います。ところがプハッカのリードは長続きしません。スタートがフライングと判定され、ドライブスルーペナルティを課せられます。5周目でプハッカがドライブスルーペナルティを実行している間に、首位を引き継いだヤノスが前走車がない状態をフルに活用してヤジドとマスカットとの差を広げていきますが、2周後にミスを犯して第9コーナーでスピンしてしまいます。
 
 ヤジドはコントロールを取り戻すまで貴重な時間を失い、ヤノス、マスカット、プル、チェン、落合、さらにはアイレゾ・モータースポーツのマックス・ワイザーに抜かれ、順位を7番手まで落とします。ヤジドは必死に立ち直ろうとしますが、ペナルティを終えて順位を上げようとせり上がってくるプハッカの猛攻にも耐えなければならないはめに。
 
 レース序盤、AMクラスの先頭はブンチャロエン、ランボルギーニ・カップではリーがクラス首位のリードを広げるべく全力を尽くしていました。8周目には、ヤノスは2番手との差を7秒まで広げていました。プルはピットウィンドウのオープンを前にマスカットを猛追します。マスカットは同じオーストラリア出身のゲルセコウスキーと交代しますが、プルはそのまま走りつづけ、しばらくしてからバーソロミューに交代。ピットウィンドウがクローズしたときには、バーソロミューの方がゲルセコウスキーを制して先を走っていました。
 
 一方、ヤノスから交代したアミチは圧倒的な10秒リードで独走。ヤジドと交代したコッツォリーノは、首位から26秒遅れの6番手を走ります。レース後半の展開が見えてきたところで、4番手の浅井と追い上げる松本との間でPRO-AM優勝を巡って激しい闘いが繰り広げられます。松本は猛攻の手を休めず、17周目でガマ・レーシングの浅井を振りちぎり、次にゲルセコウスキーに狙いを定めます。2周後、松本は脇からの追い抜きに成功します。終盤に入り、浅井を追い詰めたコッツォリーノは、あと2周というところで浅井を抜いて5番手に上がります。
 
 突進を続けるコッツォリーノは次にゲルセコウスキーを捉え、テールトゥノーズの争いに。両者とも最終周の最後のコーナーを回ったところで、ゲルセコウスキーはフィニッシュラインに向けてかろうじてポジションを守り、表彰台まであと少しの4位でレースを終えました。
 
 今シーズン最後のアジア開催となった本日の第10戦を終え、ランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジアは次に同チャンピオンシップの最終ラウンドとランボルギーニ・スーパートロフェオ・ワールドファイナルが開催されるイタリアのヴァレルンガ・サーキットに向かいます。

■ドライバーコメント
アルトゥール・ヤノス
#63 FFFレーシング・チーム・バイACM ラウンド5第2レース、PRO1位
「私たちにとって素晴らしい一日となりました。スタートは好調とは言えませんでしたが、オープニングラップの中盤までに順位を2つ上げることができました。前のクルマがドライブスルーペナルティを課せられたので、少し後ろに下がったのですが、前方が完全に空いたので、その後は走りやすくなりました」

「アンドレアのためにタイヤをセーブしなければいけないのはわかっていたので、100%の力を出し切らないようにはしていましたが、後ろに速いドライバーたちがいるのも承知していたので、アンドレアのことを考えつつ、100%集中しました」

アンドレア・アミチ
#63 FFFレーシング・チーム・バイACM ラウンド5第2レース、PRO1位
「今日は、アルトゥールがつくってくれたギャップを維持するだけでした。アルトゥールは今年最高のレースだったと思います。素晴らしい仕事をしてくれたので、後半スティントはそのままゴールを目指し、リラックスして走ることができました。昨日よりクルマの状態を良くしてくれたチームに感謝したいと思います」

「そしてアルトゥールには、素晴らしい前半スティントに最高に感謝しています。自分にとってはホームのヴァレルンガで開催される最終ラウンドでは、リスクを取ることは考えず、ワールドファイナルを目指して進みます。チャンピオンシップを可能な限り最高の形で終えられるよう、頑張りたいと思います」

落合俊之
#38 ホージャスト・レーシング ラウンド5第2レース、PRO-AM1位
「今日は速く走れましたが、他のドライバーたちも手ごわかったです。でも、松本の方が速かった。自分は前半スティントでしたが、前にプロのドライバーが6名もいて、とても大変でした。後半スティントの松本は非常によい走りを見せてくれました」

ボビー・ブンチャロエン
#59 トゥルーヴィジョンズ・モータースポーツ・タイランド ラウンド5第2レース、AM1位
「このラウンドは、チャンピオンシップのポイントを考え、安全に走ろうということで臨みました。今日の目標はポジションのキープだったので、運が良かったと思います」

ポール・ウォン
#44 852チャレンジャーズ ラウンド5第2レース、ランボルギーニ・カップ1位
「とてもエキサイティングなレースでした。特に終盤はそうでした。素晴らしいパートナー(クレメント・リー)が特大のタイムギャップを渡してくれたので、有利に進めることができました。とても良いレースでした! 素晴らしかった!」