セバスチャン・ベッテルはF1タイトル争で、ルイス・ハミルトンに対し50ポイントの差をつけられているものの、チャンピオンシップの終盤において“もう後がない”という姿勢はとらないという。
2018年シーズンのスタートで強さを見せたベッテルとフェラーリは、今季前半では優位に立っていた。
しかしメルセデスが調子を上げるなか、ベッテルとチームが数回ミスを犯したことから、ハミルトンはベッテルを追い抜き、直近の3レースで大差をつけることになった。
ベッテルはそれでも希望を持ち続けているが、ライバルのポイント数を数えるよりも、落ち着いて最大限のパフォーマンスを発揮することに集中したいとしている。
「もう後がない、というアプローチは好きじゃない。それには意味がないと思う」とベッテルは語った。
「秘訣は数字にとらわれないこと。毎週末アタックするわけだが、それぞれの週末は違ったものだし、コースも状況も違う」
「ここに来れてうれしいよ。このコースは大好きだし、世界中のコースのなかでもお気に入りの場所なんだ。だから楽しみたいし、ポイントを数えることで台無しにしたくない。自分にとって不利なことに集中するつもりはないよ」
今シーズン、フェラーリのマシンはメルセデスよりも優れていると一般的には見られている。フェラーリはポイント獲得のための多くのチャンスを無駄にし、単にライバルに差をつけることに失敗したというのが大半の見方だ。
しかしながらベッテルは、SF71-Hがメルセデスのマシンより明らかに優勢だという見解には異を唱えた。
「僕たちには強力なマシンがあるとは、何度も言ったと思う。ただし、人々の意見とは逆かもしれないが、今年のどの時点においても僕たちのマシンが圧倒的優位にあったとは思わない」
「1年を通じて差は非常に小さかったし、僕たちからすれば、ライバルに十分近づけなかったレースがたくさんあった」
「(ロシアでの)先週末のようなレースで、ライバルたちが僕たちに挑んできたということは、彼らはよりペースを出せていたということだ。今シーズンは彼らほどのペースを出せなかったレースが他にもあった」
「でも差は常に小さかったし、多くのレースでは激しい戦いをできるくらい拮抗していた」とベッテルは付け加えた。
「ここで同じようなパフォーマンスを発揮できることを願うよ。グリッド位置は強力なレースができるか否かに関係してくるので、予選では上位に近づきたいと思っている。なぜなら一度後方になってしまうと、ホイール・トゥ・ホイールのレースはそれほどできないからね」
「すぐ後ろについていくことは簡単ではない。同じコンマ1秒単位でレースをしていたら、マシンがオーバーテイクをしやすかったとしても、簡単にはいかない。結局のところまわりのライバルたちと同じような速さで走るのだからね。でもより近づけるように期待しているよ」