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WRC:トヨタ、ラリーGB初日は全車トップ5入り。試走でクラッシュのタナクも完走

2018年10月05日 12:51  AUTOSPORT web

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シェイクダウンでコースオフしたオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)
WRC世界ラリー選手権に参戦しているTOYOTA GAZOO Racingは10月4日に開幕した第11戦ラリーGBに3台のトヨタ・ヤリスWRCを投入。オープニングのSS1ではエサペッカ・ラッピとヤリ-マティ・ラトバラがトップ2を確保したほか、オット・タナクが総合5番手につけている。

 目下、3連勝中と勢いに乗っているトヨタ陣営はマニュファクチャラーズランキングでのリード拡大とドライバーズランキングでのトップ浮上を狙い、イギリス・ウェールズを舞台に行われる第11戦に臨む。

現地4日(木)の午前中には最後の試走機会となるシェイクダウンが3.37kmのステージで行われたが、ここではタナクが最初の走行でコースオフする波乱の立ち上がり。

 幸い、このコースオフでタナクのマシンが深刻なダメージを負うことはなく、サービスパークでメカニックが修理を実施し、タナクはシェイクダウンに復帰した。

 大会は現地19時、イギリス・ウェールズ北部の海岸近くにある競馬場に設けられた特設ステージで行われたSS1で開幕。ここでチームの若手、ラッピが1分21秒6のタイムを刻んでステージ最速となり、初日を総合首位でスタートさせた。

 またチームメイトのラトバラは、ラッピと0.3秒差、ライバルのティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)と同タイムとなり総合2番手につけたほか、タナクはトップと0.9秒差の5番手に続き、3台全車がトップ5に食い込んでいる。

 チームのスポーティング・ディレクターを務めるカイ・リンドストロームは「3人のドライバー全員が何も問題なく走り、いいタイムを記録するなど今晩のSS1は非常に良いスタートとなった」と述べている。

「午前中のシェイクダウンではオット(タナク)がミスをして走行時間を失いましたが、幸いにもダメージは小さく、その後も走行を続けることができた」

「ドライバーたちは事前のテストですでにいいセットアップを見つけていたから、シェイクダウンでは特に変更する必要がなかった。それはとてもポジティブな兆候だと思うよ」

「ウェールズの天気はつねに変化するから、明朝どうなるのかを注視し、適切なタイヤを選ぶ必要がある」

■「ワイパーを操作していて走りに集中できていなかった」とタナク
 シェイクダウンでのアクシデントについて、タナクは「直線区間でワイパーの操作をしていたこともあって、走りに集中できておらず、曲がり角を大幅にオーバーしてしまった」と説明している。

「メカニックたちの素晴らしい作業によってクルマは完璧に直り、再出走したところすべてが正常で、安心することができました」

 総合首位つけたラッピは「SS1のようなステージはドライビングという面ではそれほど楽しくないけど、多くの人が集まるのは本当に素晴らしいことだ。また、自分のタイムもとてもよく満足している」とコメント。

 ラトバラは「ウェールズではつねに天気が最大の問題で、タイヤ選択に大きく影響する。去年よりも3週間早い開催だから気温が高く、降雨の可能性はあるけど、もし(雨が)降ったとしてもきっと乾くのも早いだろう」としている。

 本格的な競技の幕開けとなる5日(金)はウェールズ北部でSS2~9までの8SSが行われる。ステージの多くは森のなかを抜ける構成だが、途中路面がグラベル(未舗装路)からターマック(舗装路)へ変化する箇所もあるなど、ドライバーにはグリップレベルや走行リズムの変化に対する対応力が求められる。

 全8SS合計の走行距離は110.76km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は510.61kmだ。