オーストラリア伝統のツーリングカー選手権、VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーに参戦するフォードは、現地法人となるフォード・オーストラリアを通じて2019年から投入予定であるシリーズ初の2ドア車両『フォード・マスタング・スーパーカー』のティーザー画像を公開した。
この週末10月5~7日にシリーズ最大の一戦となる祭典“第13戦スーパーチープ・オート・バサースト1000”を控えるVASCは、変革を進めている車両規定の一環として従来の4ドアサルーンのみならず、5ドアハッチバックや2ドアクーペの参戦も可能とするGen2規定を2017年から導入してきた。
その第一弾として、今季2018年からホールデンが5ドアHBの『コモドアZB』を投入。そしてフォードは現在の『ファルコンFG-X』の代替車両として、同社を代表するスポーツカーであり、伝統のビッグネーム『マスタング』の投入を発表していた。
すでに開発作業が進んでいる2019年型『フォード・マスタング・スーパーカー』は、これまでレンダリング画像のみが公開されていたが、バサースト1000開催のレースウイークに入り、フォード・オーストラリアがSNSアカウントを通じてボンネットダクトを備えたニューマシンの一部画像を公開した。
このティーザー画像では、コーポレートカラーであるブルーとホワイトのカモフラージュが施されたボディに、VASCにワンメイク供給するダンロップのスリックタイヤを装着した姿が確認出来る。
この新型『フォード・マスタング・スーパーカー』は、シリーズに参戦するワークス指定チームのDJRチーム・ペンスキーと、北米に拠点を置くモータースポーツ部門、フォード・パフォーマンスが共同で開発を続けており、同じくフォードのファクトリーチームであるティックフォード・レーシング(旧プロドライブ・オーストラリア)や、フォード・オーストラリアのデザイン部門も携わっている。
まだ確定事項ではないものの、トラックデビューの時期は12月に予定されるシリーズの公式ホモロゲーションテストより数週間先になると予想されている。
また2019年に向けては、DJRチーム・ペンスキーの2台、ティックフォードの4台、そして23Red Racingの1台と、合計7台のマシンがデリバリーされ、グリッドに並ぶものと見られている。
フォード・オーストラリアのプロダクトコミュニケーションマネージャーを務めるダミアン・スマイは、このティーザー画像について「改めてファンに対し来季の新型モデルへの期待感を高めて欲しい」との狙いで公開したものだという。
「我々フォードとフォード・パフォーマンスは、この週末のマウント・パノラマで歴代のファルコンを展示するとともに、現役ル・マン参戦車両のLM-GTE仕様フォードGT、マスタングGT4、そして現在のファルコンFG-Xでのデモンストレーションランも計画しています」と語ったスマイ。
「それと同時に、オーストラリアやオセアニア地区だけでなく世界中のスーパーカー・ファンが、来季のマスタングについて知りたがっていることもうれしく感じています。そのため、我々は2019年仕様の新型『フォード・マスタング・スーパーカー』に関して、みなさんに少しだけ“味見”してほしいと考えました」
現時点で公式なデビューの日付はアナウンスされていないが、「もちろん、開幕戦の前にはラウンチイベントを開催する」とも明言した。
「その上で、来年3月のアデレードで最初のレースを迎えることになるでしょう。プログラムは順調に推移していますが、トラックデビューまではもうしばらく時間が掛かります。願わくば、最初からコンペティティブなマシンとして戦えるよう、DJRチーム・ペンスキーやティックフォード、そしてフォード・パフォーマンスという優秀な面々と、全力で開発に取り組んでいるところです」