10月2日放送の「news zero」(日本テレビ系)に、タモリさんが出演し話題になった。自身を語るような番組への出演は一切断っているというが、今年フリーになった有働由美子アナウンサーの新番組ということで受けたという。
独特の飄々とした語り口で、「頑張ると疲れる」「頑張れって、今の世の中言い過ぎじゃないですか」などの名言を連発。ネットでは「タモリの考えいいな~」「タモリ最高だな…」などとツイートする人が続出した。(文:okei)
「テレビは見るより出るに限る。自分が面白いからやっている」
有働さんは以前、タモリさんから"番組の長続きのコツ"として「頑張るな」と言われたそうだ。有働さんがその真意を問いただすと、タモリさんは「頑張ると疲れる。疲れるとやっぱり続かないですよ」ときっぱり。
「頑張れって、今の世の中言い過ぎじゃないですか。『頑張れ』とか『生き方』とか、あんまり言い過ぎて、ちょっとみんな重いことになってるんじゃないですかね」
頑張りすぎて疲れてしまう、頑張り過ぎて却って何もできなくなってしまう現代人に、警鐘を鳴らしているようでもある。有働さんはしきりに納得している様子だった。
自身のテレビに対するスタンスも語っていた。タモリさんは、テレビについて「見るものじゃないね。あれは出るものだね。いやあ、テレビ出るって面白いでしょ」とコメント。
「見てる方には悪いんだけども、見てる方に立って何かをやったりするのはほとんどない。自分が面白いからやっているところがある」
という。「視聴者は何がわからないかを考える癖をつけ、自分が面白いと思うかわからない」という有働アナと対称的だ。自分と視聴者の感じ方に差が出ることは怖くないのか有働アナから尋ねられても、
「ずれたらずれたでいいですね。たぶんずれてる所も相当あると思うけど、それはそれでいいんじゃないですか」
と、飄々とした様子だった。
「わからないことをいっぱい残したほうが視聴者に興味を持ってもらえる」
タモリさんがテレビに興味を持ったのは「11PM」がきっかけだとも明かした。1965年から放送された同番組は深夜のワイドショーとして様々なネタを扱い人気を博したが、当時子どもだったタモリさんは「何が面白いのかわからないところがいっぱいあった」という。
「(自分が)わかんないことでもスタッフさんが笑ってるんですよ。わかんないってことが興味を持つきっかけなんですよね。だから、わからないことをいっぱい残したほうがいいと思ってる」
あえてわからない部分を残すことでテレビを見てもらえるようになるというのがタモリさんの哲学のようだ。実際に、これまで番組の司会をする中で「子供からお年寄りまでわかるように番組をやろうと思ったことは一度もない」という。
対談は放送中から反響を集めた。ネットでは「たしかに、全部わかることだけじゃ興味わかないよね」「有働さんとタモリさんで考え方が逆なのね」と、対談に見入る人が多かったようだ。