映画『ここは退屈迎えに来て』の特写が公開された。
10月19日から公開される同作は、山内マリコによる連作小説集が原作。上京して10年後に地元に戻り、フリーライターとして冴えない日々を送る27歳の「私」役を橋本愛、元恋人「椎名くん」を忘れられないまま地元で暮らすフリーターの「あたし」役を門脇麦、高校時代に女子生徒の憧れの的だった「椎名くん」役を成田凌が演じるほか、渡辺大知(黒猫チェルシー)、岸井ゆきの、内田理央、柳ゆり菜、村上淳らが共演者に名を連ねる。メガホンを取ったのは廣木隆一。
今回公開された特写は6点。橋本愛演じる「私」、柳ゆり菜演じるサツキ、村上淳演じる須賀の3人、成田凌演じる椎名、渡辺大知演じる新保、門脇麦演じる「あたし」と亀田侑樹演じる遠藤、岸井ゆきの演じる南と内田理央演じるあかね、片山友希演じるなっちゃんとマキタスポーツ演じる皆川光司がそれぞれ佇む姿が写し出されている。あわせて、もも(チャラン・ポ・ランタン)、高橋海(LUCKY TAPES)、辛酸なめ子、マキヒロチ、ジェーン・スーらのコメントが到着。
■ジェーン・スーのコメント
東京以外に帰る場所のない私には、「退屈な故郷」とさまざまに向き合えることがとても羨ましく思えた。
■辛酸なめ子のコメント
地元がない人、疎遠な人も、この映画の地方都市がまるで脳内地元みたいに思えてきて、ふとした時に登場人物が元気かどうか気になったりします。
孤独な時、逆に迎えに来てくれそうな地元の仲間たちの笑顔に癒されます。
■MONJOE(DATS)のコメント
青春とは、究極の退屈だ。
だから、人はその埋め合わせに必死になる。
当時の僕も必死だった。
退屈が絶望に変わる前に、音楽に出会えて心からよかった。
■もも(チャラン・ポ・ランタン)のコメント
無い物ねだりかな、この映画の一瞬一瞬は東京育ちのわたしには味わえない瞬間だとおもって、ただただ、なんかいいなぁって。無い物ねだりだね。
でも、どこにでも、ここにだって、幸せがあって、退屈がある。
欲しがりだよなぁわたしって。
■長谷川朗(ヴィレッジヴァンガード下北沢店)のコメント
映画館とタワレコとヴィレヴァンだけが味方の地方で育ち、いま下北で働く僕もこの映画の登場人物の1人と思わずにいられない!
■東紗友美のコメント
SNSを覗けば自分以外のみんながリア充に見えてしまう。
心から満たされにくいこんな時代、何も言わずに共感してくれる古い友人のような物語。
■マキヒロチのコメント
夜明けの街を大声で歌いながら歩きたくなる。
何かあるわけでもないくせになんとなく不幸だと思ってた昔の自分を思い出しながら。
■門間雄介のコメント
泣きたくなる。
私たちはこんなふうに、輝いていたあの日と、退屈な現在の間でたえず揺れているから。
■森直人のコメント
『レディ・バード』のサクラメント。
『SR/サイタマノラッパー』のフクヤ。そしてこの映画にも、あんなに憎んだのにこんなに愛おしい「心の地元」の風景が広がっている。
■山崎まどかのコメント
車を持っていないとどこにもいけない町で、車を持っていないヒロインが夜明けの道路で絶叫するシーン。
門脇麦が美しいと思いました。
■高橋海(LUCKY TAPES)のコメント
何者かになりたくてもなれない自分、なることを諦めた自分、理想や過去にしがみ付いて現実をなかなか受け入れられない自分…誰もが経験するであろうあの特有の小さな世界で葛藤している様々な人間の複雑な心境や儚さをシンプルかつ繊細に描いた傑作。