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DearDream 富田健太郎&溝口琢矢×R・O・N対談 『働くお兄さん!の2!』楽曲を大いに語る

2018年10月03日 10:22  リアルサウンド

リアルサウンド

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 TVアニメ『働くお兄さん!』(TOKYO MX、BSフジ)の劇伴と主題歌を収録した『TVアニメ『働くお兄さん!』Music Selection 履歴書 02』が、10月3日にリリースされる。


(関連:DearDream×R・O・N×高嶋監督が語る、『働くお兄さん!』音楽制作の裏側【写真】


 リアルサウンドでは前回に引き続き、主演の茶トラ沢タピオとロシ原クエ彦を演じたDearDreamの富田健太郎と溝口琢矢、音楽を担当したR・O・Nによる座談会を行った。R・O・Nが2期の11話にチベ砂先輩役としてゲスト出演した時のエピソードや、R・O・Nの楽曲制作の方法など、距離感が近くなった3名のより踏み込んだ話が展開された。(編集部)


■R・O・Nが声優に初挑戦!


——R・O・Nさんは、前回の『働くお兄さん!』インタビューで「声優をやらせてほしい」とおっしゃっていましたが、『働くお兄さん!の2!』11話では見事それが実現されていましたね!


R・O・N:ありがとうございます。


——R・O・Nさんが演じた「チベ砂先輩」ですが、事前にキャラの打ち合わせなどはあったんですか?


R・O・N:特になかったです。


溝口:キャラクターは、基本打ち合わせしない感じなんですよ。


富田: アフレコブースに行ったら、そのキャラクターの紹介がある、みたいな感じです。


——なるほど。アフレコは3人で行われたんでしょうか?


溝口:はい。それと、ほかのゲストの方も何人かいらっしゃいました。


——その時のエピソードを教えていただけますか?


溝口:R・O・Nさんが、寺島(拓篤)さんに「アフレコってどうやってやればいいの?」って聞いていたんです。それで、寺島さんがすごく丁寧に教えていたんですよ。


富田:俺も、それを隣で聞いてて改めて「なるほど」ってなりました。一緒に受講生になった気分でした。


溝口:大先輩がおっしゃってることを、横で「ふむふむ」って思いながら聞いていました。


富田:あと、R・O・Nさんはまったく緊張していなくて。本当にそれがすごかったですね。


——え、そうなんですか!?


R・O・N:そうですね。マイクがすごく性能のいいものだったので、おなかの音問題とか、生理現象をどうすればいいんでしょうかっていう話は結構してましたが。しいて言えば、もっと回数をいっぱいやらせてもらいたかったですね。結構、ちゃんとやりたがりなところがあるんですけど、やっぱりプロの世界っていうのは、一発で120パーセント出すことなんだろうなって勉強になりました。あと、自分が初めて声優をやってみて、改めてこの2人はすごいなと思いました。『ドリフェス!』以外では、ほぼ声優初挑戦だったわけでしょ?


溝口:僕はそうですね。


R・O・N:声優としてキャリアをスタートさせたわけじゃないのに、短期間でこんなに仕上がるものなんだ、と。特に、叫ぶのとかは結構難しかったり大変だったりすると思うんだよね。だから、「すごいな」って内心思ってた。


富田:俺、いつも第一声はちょっと恥ずかしいですもん(笑)。「今日はよろしくお願いします」ってブースに入って、急にあんなテンションなので。みんなに引かれるんじゃないかって恥ずかしいです。


R・O・N:それを振り切ってやってるのがすごいよ!


■DearDreamへの想いも込められた「LOVE YOUR LIFE」


——続いて、新曲についてお伺いしたいと思います。まずは、2期主題歌「LOVE YOUR LIFE」のコンセプトを教えてください。


R・O・N:コンセプトは、今回も作品のプロデューサーさんから聞いて……、えーっと……。


溝口:「前回と同じような感じの」ですよね?


R・O・N:それそれ!


富田:代弁(笑)。


R・O・N:子分かな?(笑)。「1期の主題歌と同じような雰囲気を持ちつつ、ちょっと違ったアプローチで作ってください」と言われて、今回も色々なワードをいただきました。そこから選んで歌詞を書いていきました。


溝口:前回のインタビューで、「あまり作曲で戸惑ったりしない」っておっしゃってたじゃないですか?今回も、一度書き始めたらサラッといけたんですか?


R・O・N:うん、そうだね。


富田:体力があれば一日で作れる感じですか?それとも、気分で「今だ!」ってなったらスラスラ~って感じですか?


R・O・N:締め切り次第じゃない?


溝口:想像できないなぁ……。


——レコーディングの時は、どういう雰囲気でしたか?


富田:めっちゃ楽しかったっす!やっぱ、こういう曲調を歌うことがあまりなかったので、新鮮でした。歌詞も結構攻めてる部分があって、すごく人間味がある。共感できる歌詞で、すごく情景が思い浮かびやすくて、歌いやすかったです。リズムなどはやっぱりちょっと難しくて苦戦するところもあったんですけど、楽しく歌えました。


溝口:1期主題歌の「KEEP YOUR HOPE ALIVE」と雰囲気は似てるんですけど、それよりもメッセージ性が強いなと感じました。前回は歌うことに必死で、リズムに慣れなきゃって部分も大きかったんですけど、今回はより一層歌詞について考えながら歌っていました。まるで自分のことのように思って歌っていましたね。さっきR・O・Nさんに「スラスラ書けたんですか?」って聞いたのも、すごく自分たちのことを見られている感じがしたからなんです。R・O・Nさんってやっぱり天才なんだなって思いました。


R・O・N:ありがと~。


富田:壮馬(石原壮馬)もこの曲「超お気に入り」って言ってました。「俺、一番好きだわ~!」って、あいつ、いっつも言ってますもん。


——歌詞を書く時には、DearDreamのことを意識していたのでしょうか?


R・O・N:一応、DearDreamの活動は10月で区切りをつけるというのは情報として聞いていたので、その内容も入れてもいいのかもしれないとは思っていました。なので、Bメロ以降はそんな雰囲気の歌詞になってます。今は彼らにとって大事な時期だし、思い入れのある曲になってほしいなって思っていたから。


溝口:普段、ほかのアーティストさんに曲を提供する時も、相手のことを意識して書いているんですか?


R・O・N:距離感によるけど、相手を知ってるか知らないかで結構変わってくると思ってる。1期の時は、君らのことを何も知らないで書いてたけど、2期では知ってて書いてるわけじゃん? だから、出てくるものも違ってきてると思う。


溝口:特に意識せずとも、変わってくるってことですか?


R・O・N:うん、そう思うよ。だって、見えるじゃない? これからDearDreamでどういう風にやっていって、武道館でって流れも見えてるし。人柄も見えてるから、こういうこと言いそうだなとか、こういうこと思いそうだなとか、押し付けがましくも書いちゃってると思う。


——第三者としても、今回の曲は前回と比べてお互いの距離が近いように感じました。


R・O・N:ですよね。


■劇中歌「Piece of my life」は、爽やかで明るい1曲


——続いて、劇中歌「Piece of my life」について。この曲はどういったテーマなのでしょうか?


R・O・N:これは11話に出てくる曲ですね。監督には、「カラオケで歌いやすい懐かしいメロディで、ちょっと歌謡曲っぽいニュアンスも」といったテーマをもらいました。


——個人的には、「働くお兄さん」「KEEP YOUR HOPE ALIVE」「LOVE YOUR LIFE」の3曲と比べると、この曲は「ドリフェス!」でのDearDream楽曲にも似ているように感じられました。


富田:サビの歌詞が明るい未来的な内容だったりするので、ちょっと共通してますね。


R・O・N:確かに、俺が普段あんまり書かない感じ。「大好き」とか、基本的には歌詞に入れないですからね(笑)。これもワードを担当の方からいっぱいもらって、それを自分的に解釈して組み立てた感じなんですよ。


溝口:爽やかさがすごくありますよね。


R・O・N:爽やかだよね。君たちは爽やかですから。


溝口:ありがとうございます!(笑)。


——こちらは、お2人は実際に歌ってみていかがでしたか?


富田:「LOVE YOUR LIFE」はグルーヴ感などに面白さがあったんですけど、この曲はすごく素直な歌詞なので、歌ってて楽しくなるような曲だと思いました。


溝口:アニメのシーンで歌う時には、お互いクエ彦とタピオとして歌っていて、CDのレコーディングの時は自分自身の歌い方をしていたんです。なので、それぞれで気持ちも若干違いました。レコーディングではハッピーな気持ちで歌って、クエ彦で歌う時には、ストーリーの流れもあってちょっと照れを持ちながら歌っていたんです。そうした気持ちのちょっとした変化も感じながら、楽しく歌えました。


——アニメ収録時には、R・O・Nさんも同じ場にいらっしゃったんですよね? その際はどういう雰囲気だったんでしょうか?


富田:R・O・Nさんの前で歌うということで、めっちゃ緊張しましたね。しかも、キャラの声で歌うのも初めてだったので、そこも単純に不安でした。


溝口:僕もキャラの声で歌うのは初めてだったんですけど、タピオよりは歌いやすい声ということもあって、普通にその場を楽しんでいました。もちろん、R・O・Nさんが後ろにいらっしゃるっていう大きなプレッシャーはありましたけど(笑)


R・O・N:僕はそれをコントロールルームで聞いてたんです。レコーディングではないから、どこをどうした方がいいみたいなことは特になかったんですけどね。


富田:確かに。普通にカラオケに行って、友達に「今のこうした方がよくない?」って言うみたいなことですよね?


R・O・N:そうそう!


■2期11話のカラオケシーンが実現するかも……!?


——劇伴は、2期で新たに作った曲もあるのでしょうか?


R・O・N:はい。1期で足りないものを補填する曲が多かったですね。なので、結構ゆるめのものがメインになっています。ただ、それだとちょっとつまんないなってことで、今回CD収録するにあたって、ゆるすぎたものをアレンジしたり、曲を作り変えて長くしたりもしました。そういうことは普段あんまりやんないんですけどね。でも、やっぱりCDを聞いていて、効果音みたいなものが多いとつまんないじゃないですか。だから、面白くできたらいいなって考えて作り変えました。


——新たに追加した曲で、特に印象に残っている曲はありますか?


R・O・N:「夢はヒーロー?」とかですかね。ギターなんて弾かずに、敢えて音数を絞ってレトロな感じで作るのは楽しかったです。あとは、「これからはじまるよ♪」とか「ぽけぽけ」は、アニメとCDで全然違うものになっていると思うので、CDで聞くと面白いと思います。


富田:曲を作る時って、何かインスピレーションをもとに作ってるんですか? いろんなジャンルの音楽を作れるのってすごいなぁと思って。


R・O・N:多分、今までに増やした引き出しの問題だと思うんだよね。聞いたことがあるとか、自分が作ったことがあるとか。そこにないものだったら、新たに勉強する。だから、急に「演歌作って」って言われたら、普段演歌は作らないから「どうやって作ろうか」って勉強するしかない。演歌にはどういう楽器や音階が使われてるかを勉強して、自分なりに解釈して作る。でもそれって、たとえば役作りとかと一緒だと思うんだよね。「俺、こんなキャラじゃないけど」って役を演じる時にどうするかって言ったら、多分、人の演技を勉強するじゃない?


富田:そうですね。


R・O・N:そういうのと一緒だと思う。


富田:なるほど。あとこれも聞きたいんですけど、作詞の語彙は小説とかからインプットするんですか?


R・O・N:まあ、本を読んだりして語彙力を上げるしかないよね。人によっては、辞書を読んだりとかもする。


富田:え、そうなんすね!


R・O・N:ただ、歌詞って難しい言葉を知ってるから偉いとかではなくて。俺は、誰にでもわかる言葉の組み合わせで響くようなことを書きたいって思うんだよね。難しい漢字や言い回しを使うとかではなく、簡単な言葉で響くことを言えるやつが強いと思う。


——富田さん、溝口さんから作曲に関して色々と質問がありましたが、逆にR・O・Nさんから2人に聞きたいことやメッセージなどはありますか?


R・O・N:メッセージ……今度、カラオケ行こうね?


富田:また最後、こうなりますね(笑)。何かひとつずつ有言実行されていくという。


溝口:「Piece of my life」を、R・O・Nさんに「カラオケで歌いたいです!」って言ったら、「ハモるよ」っておっしゃってて(笑)。


——それは豪華すぎる(笑)。リアルに11話が実現されるという。


R・O・N:でもさぁ、3人でカラオケ行ったらさ、ちょっと最初気まずそうだよね。


富田:何を入れるか気を遣いあうという(笑)。R・O・Nさんが、俺らがまったく知らない曲を入れた時、多分一番「ヤバい……!」ってなりますね。


溝口:ヤバいね!それヤバいよ!


R・O・N:気をつけるわぁ……。


溝口:カラオケは2軒目で行きましょう!(笑)。(まにょ)