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のど飴で紛糾した熊本市議会 緒方議員本人は「のど飴で議員から発言の機会を奪うのはおかしい」と主張

2018年10月02日 12:41  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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熊本市議会で9月28日、緒方夕佳議員(43)がのど飴を口に含んで質疑をし、審議が8時間も中断されるトラブルがあった。市議会は、謝罪を求めたが、緒方議員はこれを拒否。結局、緒方議員には、28日1日間の出席停止処分が下された。

緒方議員は昨年12月、議場に乳児を抱いて着席したとして議長から文書で厳重注意を受けている。こうしたこともあり、ネット上では今回の騒動には"旧態以前とした熊本市議会が進歩的な女性議員をイジメている"というイメージを抱いている人が多い。

市議会が批判を浴びる中、現場の状況をツイッターで中継し、緒方議員を批判した田上辰也議員のもとにも「喉の調子が悪いからのど飴を舐めていただけなのに議会をストップする議会に問題が有るのでは?」といったリプライが殺到した。

田上氏「いじめでは決してありません」

田上議員はキャリコネニュースの取材に対して、こう説明した。

「緒方議員はこれまでも周囲の信頼を損なうような行動を取ってきました。赤ちゃんを議場に連れてきたこともそうです。緒方議員には個室もありましたし、直前まで別の女性に子どもを預けていたにも関わらず、赤ちゃんを抱いて着席し、マスコミの注目を集めました。周囲の議員はパフォーマンスだと感じています。昨年の12月も体調が悪いといって議会を欠席しながら、東京で政治活動を行っていました」

こうした行動が積み重なり、周囲の議員は緒方議員への不信感を抱いていたと語る。また今回の件についても、緒方議員が「内容のない質問」を繰り返していたことが遠因だという。

「人前で話すということになれば、のど飴を口から出すのが普通ではないでしょうか。少なくとも議長から指摘された時点で口から出して、すぐに謝ればよかったのです。また今回、議会での騒動が大きくなってしまったのは、緒方議員が内容のない質問を繰り返しており、苛立ちが昂じていたからでもあります。リベラルな緒方議員に市議会が反発していじめを受けているイメージを持っている人もいるかもしれませんが、いじめでは決してありません」

「市民からの請願がきちんと審議されないまま不採択にされようとしていた」

一方、緒方議員は、「風邪をひいて喉を痛めていました。咳き込むとしばらく止まらなくなることがあるので、そうならないようにのど飴を口に含んでいました」と説明する。「謝罪をする必要があるとは思っていなかった」ため、謝罪はしなかったという。

のど飴を咎められて発言を遮られた時は、市民からの請願について質問していた。

「市民団体から議会のあり方を変えるような請願が出されていました。具体的には、議事録をもっと早く公開してほしい、スマートフォンでもインターネット中継を見られるようにしてほしいといった内容でした。この請願がきちんと審議されないまま不採択にされようとしていたため、質疑にどのくらいの時間を掛けたのか質問したのです」

市民からの請願について質問していたのにそれを遮られた。それは市民の声を代弁するという議員の使命を軽視しているのではないかと指摘する。

「質疑の途中で出席停止になったため、28日は質疑の残りと討論を行うことができませんでした。これでは市民を代弁するという議員本来の仕事が出来ていないことになります。議会にとっても最も重要なことは、市民のための議論をすること。のど飴を舐めていたかどうかという問題で議員から発言の機会を奪うというのは、おかしいと思います」

この請願を出していたのは「熊本市自治基本条例をより良くする会」。10月1日には、議会の対応は市民の請願権の侵害にあたるとして、本会議の招集と質疑の再開を求める申入書を提出した。