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二輪レースにおける世界選手権史上初、女性ライダーがチャンピオン獲得の快挙

2018年10月01日 22:11  AUTOSPORT web

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WSS300で、モーターサイクルにおける世界選手権市場初の女性ライダーチャンピオンとなったカラスコ
9月30日、フランスのマニクールで行われたスーパースポーツ世界選手権300(WSS300)で、モーターサイクルにおける世界選手権として史上初の女性チャンピオンが誕生した。女性ライダーとしてWSS300のタイトルを獲得したのはアナ・カラスコ(DS JUNIOR TEAM)。21歳のスペイン人ライダーだ。

 カラスコがタイトルを獲得したWSS300は、2017年から始まったチャンピオンシップ。2018年シーズンにおいてはホンダCBR500R、ヤマハYZF-R3、カワサキ ニンジャ400、KTM RC390Rといった市販車をベースにして争われている。市販車最高峰レースであるスーパーバイク世界選手権(SBK)と併催の形で開催されており、2018年シーズンは全8戦が行われた。

 カラスコは2011年、CEVレプソルインターナショナル選手権125ccクラスに参戦し、本格的にレーサーとしてのキャリアをスタートさせた。2013年にはロードレース世界選手権Moto3クラスに参戦している。

 その後、2017年からはWSS300にスイッチ。2017年シーズンのポルトガルラウンドでは、FIMが統括するチャンピオンシップとしては史上初となる、女性ライダーとして優勝を飾っている。2017年はランキング8位でシーズンを終えた。

 2018年シーズンはDS JUNIOR TEAMからカワサキ ニンジャ400を駆り、引き続きWSS300にエントリー。5月に開催されたイモララウンドとイギリスラウンドで勝利した。

 以降は表彰台を逃したものの、ランキングトップで迎えた最終戦マニクールで25番手からスタートし、13位入賞。見事、2018年のWSS300のタイトルを獲得した。女性ライダーがモーターサイクルの世界選手権でチャンピオンを獲得したのは、史上初となる。

「タイトルを獲得できてとてもうれしい。私たちは懸命に作業してきたし、ここに来るまでに苦しまなければならなかった。とても信じられない。今はただ、シーズンを通じてすばらしい仕事をし続けてくれたチームへの感謝しかない」

「困難にもかかわらず、彼らは決して諦めなかった。カワサキ・チームは私を信じ続けてくれたし、私がタイトル獲得するのをサポートしてくれた。ライバルであるスコット(・デロイ)やミカ(・ペレス)にも祝福をおくりたい。彼らはライバルとして、最後まで激しく戦ったから。夢は今日、かなった」

 また、カラスコは2016年MotoGP第7戦カタルーニャGに不慮の事故でこの世を去ったMoto2ライダー、ルイス・サロムにこの勝利を捧げると語った。

「このタイトルはルイス・サロムに捧げたい。私たちは良き友人だった。彼を失った日、私は自分が手にする最初の栄冠を彼に捧げると誓ったから」

 アナ・カラスコは、女性ライダーとして世界選手権の栄誉を手にした最初のライダーとなった。