子供の頃は、まさか自分が大人になってゴジラだのガンダムだの言っているとは思っていなかった。が、僕の場合は未だにそれらを追いかけている。人間、本質的な幼稚さは、よほどのきっかけがない限り脱ぎ捨てることができないようだ。僕にはそのきっかけが訪れなかった。死ぬまでこのままだろう。
あなたにも大なり小なり、大人になって分かった現実があるのではないだろうか。子供の頃には分からなかったことも、社会に出てみると「なるほど、そういうことだったのか」なんて言いながら、納得できることは案外多い。(文:松本ミゾレ)
「おっさんリーマンの電車内スマホゲー率の高さ。思ってたよりリーマンに大人はいない」
少し前、2ちゃんねるに「社会人なって分かったこと書いてけww」というスレッドが立っていた。スレッドには、周りの社会人が想像していたより幼稚だという類の書き込みが多くある。
「精神年齢中高生レベルの大人がいっぱいいる」
「案外貧乏人が多い あとは素人でも分かるこの国の生産性の悪さ」
「おっさんリーマンの電車内でのマナーの悪さ おっさんリーマンの電車内でのスマホゲーム率のそこそこの高さ 子供の頃に思ってたよりもサラリーマンに大人はいない」
「想像以上にわけわからん行動するやつが多い ファイルのとじ方やら机の整理やらぐちゃぐちゃのやつが多い」
「悪口言われない奴なんて存在しない」
ざっとこんな感じである。
精神年齢が子供のままの大人がいっぱいという声があるが、これは本当に多い。なんかもう、会社の中でも外でも、身勝手なことしかできてない人っているじゃない。引用した声にもあるけど、混んでる電車の中で肘突っ張ってスマホゲーする大人を見ると「家に帰るまで我慢しなよ」と思ってしまう。スーツを着た子供というか、適切な振る舞いが出来ていない。
あと、悪口を言われない奴がいないという声もあった。これもよく聞く意見だ。やっぱり長く付き合うと多かれ少なかれ他人には不満を抱いてしまうのが人間だよね。完璧に誰からも悪く言われない奴は、僕の周囲にはいない。
「寝て仕事して寝て仕事してが続く」「社会保険が高い」
仕事に関する書き込みもあった。
「言うほど可処分所得が増えない」
「社保が糞高いということ」
「寝て仕事して寝て仕事してがまじで続く」
働けば手取りは増えるものだろうと思っていたけど、年齢と共に税金は上がるし、それこそ社会保険でごっそり消える。昇給分は税金の上昇分に吸収され、使えるお金は結局去年と変わらないなんてこともざらだ。思っていたほど自由なお金がない、という感覚は、社会人になって働いてからでないと持てない。子どもの頃は、大人になったらもっとお金持ちになっていると思っていたのに。
「社会人は思ってたほど真面目じゃない」という意見もある。「時間にルーズな人が多すぎる」とか「意外とサボれる」という声もあったし、これは真実かもしれない。
書き込みには、「大人は言うほど大人じゃない」というものもあった。社会に出て分かったことの諸々は、この一言に集約されそうだ。