F1第16戦ロシアGP金曜日のフリー走行1回目で、ちょっと面白いシーンが見られた。
ロシアGPのフリー走行の開始時間は午前11時。一刻を争う予選ではないので、ピットレーンのシグナルがグリーンになってからガレージを出るのが通常だ。少しでも多くのプログラムを消化したい場合でも、早くても数分前にガレージを出て行くというのが普通だ。
ところが、ロシアGPのフリー走行1回目は、開始の20分も前にガレージを出て、ピットレーン出口で待つドライバーが相次いだ。その理由は2018年からグリッド降格に関するレギュレーションが変更されたからだ。
今年からグリッドペナルティのルールが変わって、15以上の降格が加算される場合は、グリッド最後尾スタートが強制される。
ロシアGPではトロロッソ・ホンダの2台だけでなく、レッドブルの2台とマクラーレンのフェルナンド・アロンソのパワーユニット(フリー走行1回目に運転したのはランド・ノリス)が、それに該当した。
1つのグランプリでグリッド最後尾スタートのペナルティを受けたドライバーが複数いた場合は、どうなるのか?
レギュレーションでは、『ペナルティが確定した順』となっており、この『確定した順』というのは、金曜日のフリー走行でコースイン順を意味する。なぜなら、コースインした瞬間に『使用した』と見なされるからだ。
そのため、同じグリッド最後尾ペナルティでも、16番手から20番手まで別れるため、少しでも上のグリッドを得ようと、該当するドライバーは、われ先にとガレージを出たわけである。
果たして、その結果は?
フリー走行の中継時の画面で確認する限り、先頭はランド・ノリスが乗るアロンソ車で、次がダニエル・リカルド、以下マックス・フェルスタッペン、ピエール・ガスリー、ブレンドン・ハートレーという順だった。
このままだと、16番手アロンソ、17番手リカルド、18番手フェルスタッペン、19番手ガスリー、20番手ハートレーという順になるのだが、土曜日になって、ハートレーがターボ、MGU-H(熱エネルギー回生システム)、MGU-K(運動エネルギー回生システム)を交換。
さらにレッドブルの2台もギヤボックスを交換したため、正しいグリッドは予選後に出される暫定グリッドが出るまでわからなくなってしまった。ただ、いずれにしてもアロンソの16番手は間違いところだろう。