アメリカのトップフォーミュラシリーズ、インディカー・シリーズに参戦しているチップ・ガナッシ・レーシング(CGR)は9月28日、2019年シーズンのドライバーラインアップにフェリックス・ローゼンクビストを迎えると発表した。
スコット・ディクソン、ホンダとともにチャンピオンを獲得した2018年シーズンを含めインディカー・シリーズを制覇すること8回、インディ500優勝は4回を数えるCGRは、インディカーをはじめNASCAR、IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップなど、アメリカを代表するモータースポーツには欠かせぬ存在といえる名門チームだ。
そんなCGRへの加入が決定したローゼンクビストは、2015年にFIAヨーロピアンF3選手権でシリーズチャンピオンを獲得すると、同年のマカオグランプリでは前年に続く2連覇を達成。2016年にはインディカーを目指す若手が集うインディ・ライツにスポット参戦して3勝をあげると同時に、DTMドイツ・ツーリングカー選手権、ブランパンGTシリーズといったGTカーレースにも出場した。
また、ニック・ハイドフェルドの僚友として迎えられたFIAフォーミュラE選手権では、デビューイヤーの2016/17年に元F1ドライバーのチームメイトを上回る成績を残しシリーズ3位を記録してみせた。
日本では2017年にSUNOCO TEAM LEMANSのドライバーとして全日本スーパーフォーミュラ選手権にデビュー。優勝こそなかったものの、堅実な走りでポイントを積み重ね最終的にシリーズ3位を獲得した。
ル・マン24時間やデイトナ24時間といったスポーツカーレースにも参戦する器用さを武器に、今季は大嶋和也とともにWAKO’S 4CR LC500を駆りスーパーGT500クラスを戦うローゼンクビスト。現在26歳のスウェーデン人は2019年、北米最高峰フォーミュラシリーズでその類まれな才能を発揮することとなる。
またチームは今回、ローゼンクヴィストの加入発表とあわせて、長年に渡って同チームのスポンサーを務めるNTTデータサービスと新たに複数年契約を締結したとアナウンス。同社はローゼンクヴィストがドライブする10号車のメインスポンサーに就任することとなった。
■ ローゼンクビスト「長年の夢が叶い、言葉にならないくらい興奮している」
「僕のキャリアの中で。このようなステップアップができたことにとても興奮している。言葉にならないくらいだ!」とCGR加入の喜びを語ったローゼンクビスト。
「インディカーでチップ・ガナッシ・レーシングのマシンに乗ることは長年の夢であり、ついにそれが叶ったんだ。今季3勝を挙げ5度目のタイトルを獲得したスコット(・ディクソン)のチームメイトになったこと、それはこれ以上何も求めるものがないくらい喜ばしいことだよ」
「チームのみんな、NTTデータと時間をともにして、チップ・ガナッシに貢献することが今から待ちきれないんだ!」
また、チームオーナーのチップ・ガナッシ氏はローゼンクビストを次のように評価する。
「フェリックス(・ローゼンクビスト)は度々我々のテストに参加していたことでチームの皆ともすでに打ち解けている。そのなかで我々経営陣とエンジニアリンググループは彼がテストで見せた能力を大いに感心していたんだ」
「そのため今回、10号車にフェリックスを迎えることにした。私は来シーズン、人々の前で彼の活躍を自信をもって話すことができると思っているよ」
「それから、NTTデータとの契約延長について我々は誇りに思っている。彼らはチームにとって素晴らしいパートナーであると同時に、長年に渡ってこのスポーツの大きな支持者でもある。そんな彼らとふたたび手を取り合い、未来に向けて進めることを光栄に思う」