WRC世界ラリー選手権に参戦しているセバスチャン・オジエが2019年に向けてチーム移籍を決断。2019年に向けてシトロエン・レーシングと1年契約を交わしたと発表した。
フォルクスワーゲン・モータースポーツとともにWRC4連覇を達成したオジエは、チームがWRCでの活動を終了した2016年末にMスポーツへ移籍。移籍初年度の2017年も安定した速さをみせてシリーズ5連覇を達成した。
迎えた2018年シーズンもMスポーツから継続参戦しており、第10戦を終えた時点でランキング3位につけている。
WRCでは名実ともに“絶対王者”として君臨しているオジエだが現在34歳。オジエ自身も近い将来の引退を示唆しており、「次の契約が(引退前)最後の契約になるだろう」ともコメントしていた。
そんなオジエにとって、今回契約を交わしたシトロエンは2011年まで所属していた古巣であり、WRCでのキャリアをスタートさせたチームでもある。加えてシトロエンとオジエはともにフランスを代表する存在でもある。
シトロエンはWRCに新車両規定が導入された2017年から苦戦を強いられており、2018年もマニュファクチャラーズランキング最下位と低迷。またシーズン途中には成績不振のエース、クリス・ミークとの契約を解除するなど、チーム体制の再編を急いでいる。
「僕の決断にはさまざまなファクターが影響した。以前ともに働いたスタッフたちともう一度働きたいと思ったし、第3の自動車メーカーでワールドチャンピオン獲得に挑むのも楽しそうだと思った」とオジエ。
「もちろん何かが保証されているわけではないけれど、彼らのマシンには充分なポテンシャルが秘められていると思うし、(チームの拠点がある)サトリーのスタッフと働くのも楽しみだ」
「シトロエンとともに新たなチャレンジに挑みたくてたまらないよ。僕に初めて世界選手権で戦う機会を与えてくれたチームだから、なおさらね」
また、オジエは2年間在籍したMスポーツに対しても感謝の言葉を述べている。
「2年前、Mスポーツに加入すると決めたとき、リスクばかりだと言われたけど、僕は新たなチャレンジだと捉えたんだ。その結果、素晴らしい結果を手にできた」
「(Mスポーツ代表の)マルコム(ウィルソン)とMスポーツのスタッフはラリーに強い情熱を抱いている。この2年間、ともに働いてくれたスタッフ全員に心から感謝しているよ」
ここ2シーズンは苦戦を強いられてきたシトロエンだが、王者オジエの加入で巻き返しを図れるか。2019年のWRCはさらに激しい優勝争いが繰り広げられるかもしれない。