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禁煙に踏み切った串カツ田中に新たな課題「店頭での路上喫煙やポイ捨てが増えた」

2018年09月28日 06:51  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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東京都は今年6月、従業員のいる飲食店を原則屋内禁煙とする「受動喫煙防止条例」を可決した。条例は段階的に施行され、東京オリンピック・パラリンピック前の2020年4月には全面施行される。

9月26日の『モーニングCROSS』(MX系)では、条例に先駆けて、今年6月から9割以上の店舗で全席禁煙を導入した居酒屋チェーン店「串カツ田中」を特集した。(文:石川祐介)

客数は3か月連続で増加 売上も右肩上がり


串カツ田中ホールディングス経営戦略部の担当者は、導入後3か月の経過状況について

「3か月連続で客数増加につながっております。ファミリー層が増えました。逆に、会社員や男性グループの客層は減少傾向にあります」

と語る。喫煙をする層は減少した分、煙を嫌う層の利用が増加したようで、全体の客数は伸びているようだ。売上も、導入を開始した6月こそ落ちたが、それ以降は右肩上がりだという。

アイリックコーポレーションが昨年、非喫煙者に実施した調査では、喫煙可の店や喫煙席へ通されることについて、「絶対に行かない」(26.7%)、「非常に抵抗がある」(17.3%)、「できるだけ避けたい」(41.3%)と、8割以上が拒否感を示していた。

串カツ田中は禁煙化したことで、「行ってみたいけどタバコの臭いが嫌」と考えていた層を取り込めたのだろう。禁煙に踏み切れずに潜在的な客を取り逃している飲食店は、少なくないのかもしれない。

「路上禁止区域なら注意しやすいが、店の敷地外で吸われると注意しづらい」

ただ、思わぬ弊害も出てしまった。店付近での路上喫煙客と、タバコのポイ捨てが増加してしまったのだという。「近隣の方からの注意も増えてしまった」と、なかなか深刻だ。店ではスタッフが公共の喫煙場所を案内したり、清掃回数を増やしたりして対策しているというが、「路上禁止区域なら注意しやすかったりするのですが、お店の敷地外で吸われてしまった場合は注意しづらい」と、課題解消に頭を悩ませている。

「串カツ田中」の抱える問題について、番組司会の堀潤さんは「路上に捨てるなんて言語道断」と苦言を呈し、

「僕も喫煙者ですけど、禁煙の店のほうが良いです。美味しく食べれるし、他の人の煙を気にしなくていい」

と意見した。出演者の鳥越俊太郎さんは「僕も10年間吸ってましたけど今は吸ってませんので、タバコの煙が充満してるのは嫌ですよね」と店内で喫煙されることへの不満を口にした。

料理の香りを楽しみたい人にとっても、タバコの煙は邪魔でしかない。しかし、一方的に喫煙を取り締まれば、ポイ捨てや路上喫煙といった問題が起きてしまう。快適な「全面禁煙」を実現するためには、喫煙者と非喫煙者、そして店舗の歩み寄りが必要だ。