台風24号が気になる動きをしている。気象庁によると、9月29日に非常に強い勢力で沖縄・奄美に接近し、その後は進路を変え西日本・関東に近づく恐れがあるという。
「生活110番」などのライフサービスプラットフォームを展開するシェアリングテクノロジーは、今月上陸した台風21号の被害に関する実態調査を9月26日に公開した。同社に寄せられた台風21号による台風被害相談に関するデータ7443件を分析した。
調査によると、建物の形ごとに被害の傾向が異なると判明した。一戸建ては「アンテナ」(44.3%)への被害が最多で、次いで「雨漏り」(33.5%)、「ガラス」(20.5%)、「シャッター」(1.8%)と続く。
集合住宅の被害は8割が「ガラス被害」 遮る物なく強風を直に受けるためか
一方、集合住宅で最も多かったのは「ガラス」で81.3%にのぼる。以降「アンテナ」(13.2%)、「雨漏り」(4.8%)、「シャッター」(0.7%)となった。店舗・倉庫などでも「ガラス」(63.4%)が最多で、「シャッター」(25.4%)、「雨漏り」(12.9%)、「アンテナ」(1.3%)と続く。
集合住宅でガラスに関する被害が多いのは、高層階になるほど風が強くなり、さらに風を遮るものがないため強風による被害が多くなるためではないかという。また、強い風に乗って飛んでくる瓦などの飛散物もガラス被害の影響となる。
建物の種類によって被害箇所が異なるため、同社は「一戸建てなら『屋根』、集合住宅なら『窓』、店舗は『入り口』を特にケアする必要がある」としている。
また台風21号で最もガラス被害が多かった都道府県は「大阪府」(64.6%)で、以降「京都府」(5.6%)、「兵庫県」(5%)、「愛知県」(4%)、「東京都」(2.1%)と続く。
大阪での被害が甚大だったことに関しては、高層ビルやマンションが多いためではないかと見ている。特に高層ビルの周辺は「ビル風」という強風が発生しやすく、強風の威力がより増してしまったためではないかと分析していた。
アンテナは寿命の10年超えると壊れやすい「業者に依頼して交換することも考えて」
8~9月に台風が多いのは、発生した台風が偏西風によって日本に誘導されやすいためだ。同社は「日本に住んでいる以上、台風の脅威に晒されるのは避けられない」として、事前対策の必要性を呼びかける。
ガラス被害の対策は、ガラスの近くになるべく物を置かないようにしたり、保護フィルムを貼って、ガラス飛散を防ぐことが考えられるという。保護フィルムは、養生テープを窓ガラスに「バツ印」で貼ることで代用可能だ。
シャッターはすべて降ろした上で鍵をかけておくことが推奨される。中途半端に開いていると、隙間から強風が入り込み吹き飛ぶためだ。また、中柱がしっかり刺さるように受け皿をしっかり掃除することも必要だ。
アンテナは、10年ほどで寿命が来るという。老朽化すると強風で折れる可能性が高く、折れたアンテナが飛ぶと近隣にも思わぬ被害を与える可能性もある。専門業者に依頼してアンテナ交換をすることも検討したい。同社は交換の際、「雨風の影響を受けにくい平面アンテナも台風対策として検討してください」とアドバイスしている。
屋根は、外から屋根の様子を確認し、ヒビや隙間ができている場合、業者に依頼して屋根の修理をしてもらおう。ただしアンテナや屋根の台風対策は個人では難しく、自分で補修すると転落で大けがする危険性もある。屋根に登るのは控えた方がいいだろう。
同社はこのほか、「家の外には出歩かず、速報を定期的に確認するのをおすすめします。台風で停電になった場合に備えて、懐中電灯やラジオ、非常食の準備もお忘れなく」とコメントしている。