ST-3クラスで優勝を飾った宮田莉朋、山下健太、嵯峨宏紀組 ホームコースのもてぎで、ラスト10分間の再逆転
今季初優勝を飾って、ランキングトップに躍り出る!
スーパー耐久第5戦
9月22日(土)~23日(日)
ツインリンクもてぎ 4.801km
ル・ボーセモータースポーツは、ピレリ・スーパー耐久シリーズのST-3クラスにDENSO Le Beausset RC350で、嵯峨宏紀、山下健太、そしてルーキーの宮田莉朋を擁して挑む。その第5戦が9月22日(土)、23日(日)に、ツインリンクもてぎ(栃木県)で『もてぎスーパー耐久 5時間レース』として開催された。
昨シーズンは開幕戦として初の2グループ開催とされたが、全クラス混走の5時間レースに戻されている。もてぎは言うまでもなくチームのホームコースであり、隅々まで知り尽くしているだけに、今シーズン初優勝を飾るには格好の舞台と言えた。
予選
9月22日(土)
天候/曇りコース状況/ドライ
ようやく厳しい暑さから解放された一方で、この週末の天候は安定せず、金曜日に設けられた専有走行はすべて、さらに土曜日午前のウォームアップ走行まで雨に見舞われてしまう。午後からの予選、そして日曜日の決勝は天候が回復するのはほぼ明らかだったことから、主に宮田の習熟に充てられた。
午後からの予選は予想どおり、ドライコンディションでの走行となった。全員がぶっつけ本番にも等しい状況において、Aドライバーセッションに挑んだ嵯峨は少しでも路面状態が向上するのを待って、残り6分間からの走行とする。狙いは的中し、嵯峨は2分6秒533をマークして3番手につける。
続くBドライバーセッションでは、より路面状態が向上したこと、そして嵯峨から的確なインフォメーションを授けられた山下が、2分5秒948にまで短縮を果たし、なおかつ合算タイムでは#38-RC350を、コンマ1秒にも満たない差ながら上回って、今季初のポールポジションを獲得した。決して抜きどころが多いとは言えないコースだけに、クラス先頭からスタートできるメリットは大きく、今季初優勝の期待もより高まった。
なお、Cドライバーセッションを走行した宮田は、ユーズドタイヤでガソリン満タンの決勝を想定した状態で周回を重ねてなお、2分8秒518をマークして2番手につけた。
決勝
9月23日(日)
天候/曇りコース状況/ドライ
スタートは山下が担当、グリーンシグナルの点灯と同時にアクセルを強く踏み込み、1コーナーにトップで飛び込んでいったが、予想どおり#38 RC350が背後に食らいついて離れず、いきなり一騎討ちが繰り広げられる展開。14周目に先行を許した山下ながら、23周目に再逆転を果たす。
スタートから1時間24分、39周目に嵯峨に代わるまで、絶えずバトルモードとなっていた。対照的に第2スティントは単独走行となり、間にクラスの異なる車両を挟んで、嵯峨はリードを広げていく。そして、ほぼ30秒の貯金を2時間45分経過した74周目に、宮田に渡すこととなった。だが、宮田に#38 RC350が、じわりじわりと迫ってくる。
94周目に逆転を許したことから、残り1時間20分を切った最終スティントは、山下がタイヤ無交換で99周目からゴールまで走り抜く予定となっていた。しかし、燃料の気化でエンジンがなかなかかからない。先頭の#38 RC350が最後のドライバー交代を済ませた時点で差は30秒ほど、残り1時間を切っていることを思えば、微妙な位置関係ではあった。
それでも諦めることなく必死にプッシュを山下が重ねるうちに、差は1周ごと秒単位で縮まっていき、125周目にはついに10秒を切るまでとなる。そして132周目には背後にまで迫り、翌周の5コーナーでインを刺し、トップに返り咲く。
この時、チェッカーまで10分を切っていたが、その勢いを緩めることなく引き離していく。そして、5時間を迎えた137周目をトップでフィニッシュし、DENSO Le Beausset RC350がホームコースで今季初優勝を飾るとともに、ランキングのトップに浮上することとなった。残すは岡山国際サーキットで行われる、最終戦のみ。悲願の王座獲得に大きく前進した。
コメント
坪松唯夫 チーム監督
「富士24時間、オートポリスと勝ちを逃していただけに今回の茂木はどうしても勝たねばならないレースだった。数回のテストを重ねたことで飛躍的に操縦性が向上したが、エンジンパワーがものを言うコースレイアウトだけにトータル的にバランスを取る必要があった」
「そういった厳しい状況でも地の利を生かし予選での1ポイント獲得がチームに良い影響を与えた。決勝でもドライバー個々が安定した周回をしてくれたことでコース上でのハプニングに対しチームも早急な対処と戦略変更を行えたことが勝ちにつながった」
嵯峨宏紀
「ホームコースで勝てたのは良かったです。ライバルの38号車のペースが速くて拮抗していたので、最後まで厳しい戦いでした」
「今回、優勝できてランキングでもトップになりましたが、最終戦の岡山は、最大のライバルとなる38号車のホームコースですので、状況的には我々は追いかける立場で臨まないといけないと思います。最終戦までにチームとミーティングを重ねて、改善をはかるとともに気を引き締めて、今シーズン最後のレースに挑むつもりです」
山下健太
「展開に恵まれました。やり切った感はあるのですが、基本的なペースは拮抗していましたし、けっこういろんなことが起きたので、ギリギリの勝利でした」
「最終スティントでは、クラスの違うクルマが密集するなかを、速いペースを維持して頑張って、あと10分のところでトップを抜けたのでホットしています。最終戦に向けては、スッキリ終われるように、チームと一丸となって臨みたいと思います」
宮田莉朋
「僕のペースはあまり良くなかったので、淡々とペースを守って走ったのですが、まだまだスピードが足りないという感じでした。最終スティントを託す山下選手にタイヤ無交換で引き継ぐ為にタイヤをいたわりながら走る必要があったので、すべてのクラスが混走するなかで安定したペースを維持することは大変でした」
「最終戦の岡山では、タイトルの懸かった重要な戦いになるので、僕もスピードで役に立てるようにシッカリと準備して臨みたいと思います」