フェラーリF1のジュニアドライバーだった経験を持つラファエル・マルチェッロは、才能豊かなシャルル・ルクレールであれば、早ければ2019年中にチームメイトとなるセバスチャン・ベッテルを打ち負かすことも可能だと考えている。
2018年にザウバーからF1デビューを果たして以降、好調なパフォーマンスを発揮し続けているルクレールは、2019年シーズンにフェラーリでベッテルとともに戦うことが決まっている。
現在は成長過程にあり、今後経験を積み重ねることも必要な若干20歳のルクレールを、マルチェッロはフェラーリに移って早々に優勝が狙えるドライバーだと見ている。
2013年にヨーロピアンF3を制し、後にフェラーリとザウバーでテストを行なった経験もある23歳のマルチェッロは、FormulaPassionに対して以下のように語った。
「シャルルがフェラーリに合流したら、すぐにでもベッテルを破ることができるだろうね」
「ベッテルがレッドブルに在籍してタイトルを獲得していた当時、後ろに控えていたのはチャンピオン経験のないマーク・ウエーバーだった。それに他のどのチームよりも、彼らのマシンは優れていたんだ」
マルチェッロはまた、これはベッテルがレッドブルで過ごした最終年の状況と比較できると指摘する。このときは彼の成績が、チームメイトだったダニエル・リカルドを下回った。
ベッテルよりもリカルドの方が速かったと見ているのかと問われたマルチェッロは、「そうだ。僕たちは実際にそれをコースで目撃している」と答えている。
「もちろん、その年のマシンであるRB10がセバスチャンよりもダニエルの特性に合っていたという議論もあるだろう。だけど僕は思ったことを言うよ。真のチャンピオンは、常に状況への適応方法を知っているべきだ」
さらにマルチェッロは、ベッテルがフェラーリに移籍してペアを組んだキミ・ライコネンよりも優れているとする意見も否定する。
「ライコネンとの比較はあまり信頼できないと思う。僕が2014年にアブダビでテスト走行をしたとき、キミよりもコンマ7秒速かったんだ。だけど、それは僕が彼より強いことの証明にはならない」とマルチェッロ。
「単に、僕はコースに出て限界まで力を出し切りたいという強い意欲を持っていた。キミは当時、そういったモチベーションを失っていただけだと思う。2014年シーズンのフェルナンド(・アロンソ)が良い比較対象だろう。彼は、ほぼ常にライコネンの前を走っていた」
「そう、ベッテルも今までキミを破ってきたけれど、常にというわけではなかったし、いずれにしてもふたりの差は小さい」
2019年シーズン、フェラーリにおけるチームメイト同士の争いがどう決着するかはともかく、マルチェッロはベッテルに最高の評価を与えるつもりはなさそうだ。
「個人的には、ベッテルはこれまで(ルイス・)ハミルトンにもアロンソにも、それどころか(ロバート・)クビカにすら、実力で並んだことはないと思っている」