ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズは9月23日、ベルギーのスパ・フランコルシャンで2018年シーズン第5戦が行なわれ、ユナイテッド・オートスポーツの22号車リジェJS P217・ギブソン(フィリップ・ハンソン/フィリペ・アルバカーキ組)が雨で短縮となったレースを制し今季初優勝を飾った。
第2戦モンツァから3連勝中のGドライブ・レーシング(ロマン・ルシノフ/アンドレア・ピッツィトーラ/ジャン-エリック・ベルニュ組)がポールポジションを獲得した第5戦スパ・フランコルシャンの決勝は生憎の雨模様に。レースはセーフティカー(SC)先導でスタートが切られると、15分後にグリーンシグナルが灯され各車が濃い水煙を上げながらコントロールラインを横切っていく。
スタートから首位を行くGドライブは、ピッツィトーラがファーストスティントを担当するが思うようにペースを上げられず。レース序盤に3番手グリッドからスタートしたデュケイン・エンジニアリングの29号車オレカ07・ギブソンに首位を明け渡してしまう。
その後、LMP3カーがクラッシュを喫したことでふたたびSCランが導入されると、26号車オレカはAPR-レベリオン・レーシングの31号車オレカ07・ギブソンに背後に付かれる厳しい状況に。
そんななか迎えた55分過ぎ、キャンパスコーナーでスピンしたLMP3カーを避けた26号車オレカがアウト側のグラベルに飛び出してタイムをロス。4番手でコースに戻るも、リズムを崩したピッツィトーラは9番手まで順位を落としてしまった。
■雨が強まり、レースは赤旗終了
その後もたびたびSCが出るなかで各チームが1回めのピットストップを終えると、2番手スタートから一時は順位を下げていた22号車リジェがトップに立つ。アルバカーキ駆る22号車リジェは次第に雨が強まるなかでもリードを築くと、スタートから1時間40分後に出されたSC、そこから約25分後に提示された赤旗によってその順位を固め、赤旗終了が宣言されると同時に今季初優勝を手にすることとなった。
総合2位はニコラ・ラピエールを擁するドラゴンスピードの21号車オレカ07が入り、もうひとつの表彰台枠はパニス・バルテズ・コンペティションの23号車リジェJS P217・ギブソンが獲得した。
ポイントリーダーとして第5戦を迎えたGドライブの26号車オレカは最終的に12位で完走。しかし、ランキング2番手につけるレーシング・エンジニアリングの24号車オレカ07・ギブソンが7位に終わり、両者のシリーズポイント差が最終戦で獲得できる最大ポイントの26点以上となったことから、第6戦を待たずにルシノフとピッツィトーラがドライバーズタイトルを決め、Gドライブがチームタイトルを獲得した。この結果、チームは2019年のル・マン24時間レースの自動招待枠を獲得している。
3クラス中最多となる合計18台が出走したLMP3クラスでもユナイテッド・オートスポーツが優勝。同チームの2号車リジェJS P3・ニッサンを駆るジョン・ファルブ/スコット・アンドリュー組が表彰台の頂点に立った。
GTEクラスでは、ファビオ・バビーニ、ブレッド・カーティス、リカルド・ペラ組のイビモータース、80号車ポルシェ911 RSRがクラス優勝を飾っている。
ELMSの次戦第6戦ポルティマオは10月26~28日、ポルトガルのアルガルベ・サーキットで行なわれる。