レッドブルのジュニアドライバーで現在FIAヨーロピアンF3選手権に参戦するダニエル・ティクトゥムが、ポイントリーダーの座を失った後、ライバルのミック・シューマッハーの急激な台頭は不可解であると主張した。
ティクトゥムは第8ラウンド終了時までタイトル争いをリードしていたが、後半戦から好結果を出し始めたシューマッハーに急激に追い上げられ、ついに第9ラウンドで首位を失う形になった。この6戦でシューマッハーは5連勝と2位という結果を出したが、ティクトゥムは1勝もできず、ノーポイントのレースもあり、残り3戦の段階で49ポイントのリードを許した。
第9ラウンドのオーストリア戦を終えた後、ティクトゥムはSNSを通して強いフラストレーションを表した。
「オーストリアの週末を言い表すなら“理想的ではない”という言葉しかない」という文章をティクトゥムは自身のインスタグラムに記した。
「誰かを非難するようなことはしたくないが、正直言って今週末はマシンにペースがなかった。セットアップが主な理由かもしれない。前回はマシンが比較的よくて、7番手から4番手に上がれるだけの速さがあった」
「でもトップ2(シューマッハーとプレマのチームメイトであるロバート・シュワルツマン)に挑戦するチャンスがある者は誰もいない。彼らのチームメイトはいいドライバーたちだけど、それでも彼らにかなわない。彼らの速さを言い表すなら“興味深い”という言葉を選ぶ。F3の大勢の関係者がそれに同意するに違いない」
「僕はいつもどおりベストを尽くした。今回も頑張ってくれたチームに感謝する。本当に終わるまでは、まだ終わりじゃない。最高の状態で最終ラウンドに臨むよう努力する」
■「シューマッハーの名を持たない自分にチャンスはない」とティクトゥム
「僕のせいかどうかは分からないが、チャンピオンシップを奪われたような気分」というティクトゥムは、フォロワーたちからの批判を受け、プレマが違法な行為を行ってパフォーマンスを向上させたと言ったわけではないと主張した。
「彼らには特別なエンジンマップか何かがあるのかもしれない。僕は違法だとは言っていない」
「僕は負けを受け入れられない人間ではないし、辛辣な人間でもない」
「ミックはこの数年とてもいい仕事をしてきた。彼に尊敬の念を抱いている。僕が言いたいのは、(パフォーマンスが)いきなり上がったということだ。違法とは言っていない」
「僕が学ぶ必要があることは認める。それは否定しない。でも君たちは全員のデータを見ているわけではないのだから、真実が分からないんだ。だからこの件については、君たちの意見は正しくないと言わざるを得ない」
「残念だけど、僕は勝ち目のない勝負をしている。僕の名字がシューマッハーではないからだ」
ミック・シューマッハーはF1で7度タイトルを獲得したミハエル・シューマッハーの息子だ。否定的なコメントを記したフォロワーたちに対してこういった発言をしたティクトゥムは、その後、インスタグラムの投稿を削除した。