任天堂は9月19日、家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」のオンライン機能を拡充する有料サービス「Nintendo Switch Online」を開始した。このサービスは、「ニンテンドースイッチ」を持っているユーザーが他ユーザーと協力して対戦するなど、オンラインプレイをする際に使われるサービスだ。
しかし、オンラインプレイはこれまで無料で使えていたこともあり、ネットでは「なんで有料化するんだ」「ふざけるな!タダにしろ」と不満の声を上げるユーザーも一部いる。中には、任天堂に直接電話をかけて抗議する"過激派"までいるようだ。
9月24日に放送された『バラいろダンディ』(MX系)ではこの話題を取り上げた。出演した勝間和代さんは、サービス有料化について持論を展開した。(文:石川祐介)
「ハードだけでは限界がある。ソフトで儲けるのは普通」
勝間さんは「これは正当な道ですね」と、有料化は当然であるとコメント。
「ゲームを維持するのに、よりお金をもらえないと面白くできないんですよ。もともとハードウェアだけでは限界がありますから、ソフトウェアで儲けるのは普通だと思います」
無料でサービスを提供し続けていると、ゲームをより面白くするための維持・開発費用を捻出できなくなる。そうなれば、ユーザーがゲームを楽しむ機会が奪われる可能性もあるというのだ。勝間さんは、
「これに反対して無料プレーヤー(数)が落ちてしまうのであれば、それは仕方がないって判断ですね」
とドライな意見も口にした。
任天堂としてもノーリスクで有料化に踏み切ったわけではないだろう。そもそも、これまで無料でプレイできていたのは正式サービス提供前の「無料期間」だったためだ。事前告知も数回行われていて、突然有料化したわけではない。
それに、有料化後はセーブデータお預かりサービスや、ファミリーコンピュータで発売されていたゲームソフトの提供など、オンラインプレイ以外の機能も追加された。有料化してもサービスが向上しなかったり、ゲーム自体が面白くならなかったりすればユーザー離れが加速するリスクがあるが、これらの新しい機能は、ユーザーの引き止めにも多少貢献すると見られる。
ファミリープランの悪用?SNSには「一緒に入る人募集」の書き込みも
ただ、料金の払い方を巡っては、早くもトラブルの種が生まれている。
「Nintendo Switch Online」は1アカウントで利用できる「個人プラン」と、最大8アカウントまで利用できる「ファミリープラン」の2つがある。「個人プラン」は「1か月(30日)300円」、「3か月(90日)800円」、「12か月(365日)2400円」と分かれ、最も安く使えるのは、12か月分を一括払いする方法だ。
一方、「ファミリープラン」で選べるのは「12か月(365日)4500円」のみだが、8人で加入すると、1人あたりの年間支払額は約560円になる。「個人プラン」の12か月払いコースより、2000円安く遊べる計算だ。
そのため、SNS上には「ファミリープランに一緒に入ってくれる人を募集中」といった投稿が散見される。悪用しようと思えば、「一緒に入りましょう!後でお金払うんで支払っておいてください」と声をかけ、実際にはお金を払わずに"タダ乗り"する人が出てくる可能性も十分考えられる。
小中学生のユーザーが、何かしらのトラブルに巻き込まれてしまう可能性も否定できない。「有料化でうるさいユーザーを排除できた」と喜ぶ人もいるようだが、プレイ環境が健全化したと安堵するのは、まだ早いかもしれない。