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DTM第18戦:ラストが1996年のナニーニ以来となる史上4人目の4連勝でチャンピオン争いを猛追

2018年09月24日 08:31  AUTOSPORT web

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表彰台で喜ぶレネ・ラストとニコ・ミュラー
オーストリアのレッドブル・リンクで開催されたDTMドイツツーリングカー選手権。第18戦の決勝レースが23日に行われ、レネ・ラスト(アウディRS5 DTM)が破竹の4連勝を達成した。

 前日、3位で終えたニコ・ミュラー(アウディRS5 DTM)がフリープラクティスからトップタイムを記録。予選でも速さを見せたが、チャンピオンを争うゲイリー・パフェット(メルセデスAMG C63 DTM)が0.028秒差でポールを奪取。貴重なボーナスポイントをゲットする。

 ランキングトップに立っているポール・ディ・レスタ(メルセデスAMG C63 DTM)は3番手。42ポイント差ながら3連勝でメルセデスドライバーふたりを追うラストは8番手となった。

 スピルベルグラウンドにゲストドライバーとして参戦しているWRC世界ラリー選手権の王者セバスチャン・オジエ。2回目の予選はポールと1.296秒差の19番手となった。


 55分+1周の決勝レース。パフェットは素晴らしいスタートでホールショットを決める。8番手のラストも好スタートを見せ、レムスで4番手にポジションアップする。

 3周目、トップを走るパフェットをミュラーがオーバーテイク。しかし、ペースは上がらずトップ争いは僅差で展開。

 16周目にアウグスト・ファーフス(BMW M4 DTM)がコース脇にストップ。このタイミングでラストはピットイン。ここでセーフティカーが入れば、大きくリードを築くことができたがセーフティカーは入らず。

 17周目終わりでディ・レスタがピットイン。ラストの前でピットアウトするもポジションを守れず、ラストが先行する。翌周にミュラー、パフェットが同時にタイヤ交換へ。

 パフェットはピット作業が少し遅れ、ラストの後ろでピットアウトとなる。さらに21周目にディ・レスタがパフェットをオーバーテイク。


 チャンピオンを争う直接のライバルに対し、これ以上後れを取れないパフェット。25周目にディ・レスタの隙をつきポジションを奪い返す。

 ラストは28周目にミュラーを交わすと、全車ピットイン作業を終えた30周目にトップに浮上。3番手のパフェットとは5秒の差を築き、レースをリードしていく。

 ラストを追いたいパフェットだが差は縮まらず時間だけが過ぎていき、39周目に55分が経過。


 ラストはミュラーを従えながらトップでチェッカーを受け、破竹の4連勝を飾った。3位にパフェット、4位にディ・レスタ。

 チャンピオン争いは、ディ・レスタが229ポイントでトップをキープ。ポールのボーナスポイントも加えたパフェットは4ポイント差でランキング2位。メルセデスドライバーふたりを猛追するラストは199ポイントとし、ディ・レスタと30ポイント差でホッケンハイムの最終ラウンドに挑むこととなった。

 1996年のアレッサンドロ・ナニーニ以来となる史上4人目の4連勝を達成したラスト。

「また信じられない週末だった。偉大なクルマ、素晴らしいチームとチームワークに感謝しているよ。4レース前、まだ100ポイントも差があった。今は30ポイント差。メガ級にハッピーだし、次に繋げることができた」

「4連勝は他のカテゴリーでも経験したことがない。厳しいこのシリーズでは特別なものだね。ホッケンハイムでは再びチャンピオンになるために戦うよ」と喜びを語った。この勝利はアウディのDTM100勝目という特別なものでもあった。


 ディ・レスタとの差を縮めることに成功したパフェットは、「僕とポールとの差は4ポイントしかないね。チャンピオンシップを戦うことができて本当にうれしいよ。このポールポジションに多くことを望んで、リーダーとしてホッケンハイムに向かおうとしたんだ。それはうまくいかなかったけど、僕の最善を尽くすつもりだ」とコメント


 ゲストドライバーとして参戦したオジエは1周遅れの16位完走でDTMデビューラウンドを終えた。

「素晴らしい経験だったね。ラリーとはまったく異なるよ。今日は半分ずつ2度のレースをした感じだ。前半は、フロントガラスにオイルが被りうまく見ることができなかった。後半はロッキー(ロッケンフェラー)の後ろでついていくことができた。オーバーテイクはできなかったけど、すごく楽しめたよ」とオジエ。

 今季限りでDTMから撤退するメルセデスは、ホッケンハイムを前にコンストラクターズタイトルを確定させている。