不動産業界向けの情報サービスを展開するマーキュリーは9月20日、「マンション格差ランキング」を発表した。1つのマンションの中でも高い部屋と安い部屋があるが、その格差の大きさをランキングにした。
最も格差が大きかったのは、お台場にあるブリリアマーレ有明(東京都江東区)。共用施設に25メートルプールや露天風呂付きのスパがある33階建ての高級マンションだ。敷地内には歯科医院や学習塾、認可保育園まである。最も安い部屋は2970万円、最も高い部屋は10億5000万円で、10億円以上の開きがあった。
「中規模マンションでは、ターゲット層が固定されており、格差が生まれにくい」
同マンションには全部で1085戸の住居がある。管理組合が着衣水泳体験イベントや不動産仲介店向けの施設説明会を実施するなど、住民組織が活発に活動している様子が伺える。
2番目に格差が大きかったのは、パークコート赤坂ザタワー(東京都港区)。地上43階のタワーマンションで、TBSテレビのある複合施設「赤坂サカス」まで徒歩7分の立地だ。最も高い部屋は10億円、最も安い部屋でも4960万円する。
現在、2LDKの部屋が中古で1億2500万円で売り出されているほか、賃貸に出されている部屋もある。最上階43階にある2LDKの部屋は家賃が月110万円とかなりの高額だが、14階の1Kなら21万円で借りることができる。
3番目は東京ツインパークス(東京都港区)。山手線の浜松町駅から徒歩6分に位置し、共用施設として、フィットネスや居住者専用のコンビニ、ラウンジがある。最も高い部屋で6億500万円、最も安い部屋で3010万円だ。
調査を実施したマーキュリーの広報担当者は、価格差についてこう説明する。
「タワーマンションでは上に行けば行くほど高くなります。眺望も良くなりますし、上層階には広いお部屋も多くなります。港区の一等地にあるような中規模のマンションでは、単身者やDINKSなどターゲット層が固定されており、同じような部屋が多く格差が生じないのです。しかし2000年代に増えたタワーマンションでは部屋ごとの格差が大きくなりがちです」
最も高い部屋、16億2000万円 同じマンションの7LLDKKの部屋は約30億で売出し中
タワーマンションでは上層階の住人と低層階の住人の間にヒエラルキーがあるというイメージが強い。しかし同社の担当者は「ドラマとは違い、実際にはほとんどない」と話す。
「上層階に住まれている方は、芸能人や会社経営者の方も多く、低層階の方を馬鹿にしたり、上層階に住んでいることを鼻にかけたりすることはありません。逆に、低層階に住んでいる方の中には、憧れたり、気にしたりする方も少しいるようです」
なお、価格差ランキングに掲載されていたマンションのうち、最も高かった部屋は、ブリスベージュ神宮前(東京都渋谷区)の16億2000万円の部屋だった。ただ、現在8階・9階にまたがる7LLDKKの部屋が29億8000万円で売り出されている。