「いらっしゃいませー!」アパレルショップから甲高い声が響く。かわいい服を着こなしたキレイな店員が笑顔をふりまく。素晴らしい接客態度だと思うが、なぜだろう。無意識に避けて入店している自分がいる。それは、過去に受けた接客にあまりいい思いをしてこなかったからなのかもしれない。
先日、ガールズちゃんねるでの「アパレルで嫌だった接客」というスレッドでは、ショップ店員から受けた接客への数々の不満が集まっていた。トピ主のエピソードでいえば、欲しい服があったのに、声かけがあまりにしつこく、つきまとってきた店員のせいでとても不快な気分に。そのため見られていない隙にレジへ行ったが、その店員がレジの店員と強引に交代し、あたかも自分の接客で売れたようなことにされたので納得いかなかったとのこと。どうやら問題の肝となるのは、ショップ店員の距離感にあるようだ。(文:ツマミ具依)
「少しでも服に目を傾けただけで『こちらの商品はですね?』って強引に勧めてくる」
「あからさまに見下した態度。顔つきに出過ぎ 」
「たまたま服もバッグもボーダーだった。店員に『ボーダー好きなんですかあ 笑』って言われてなんかムカついた 」
「垢抜けない学生の時だけど、試着してたら外からプククって聞こえて、外でたら笑いこらえながら『いかがでしたか??』って言われた」
ショップ店員の人は、仕事柄美意識が高くてファッションセンスも良いので、対照的な客を見るとついつい嘲笑してしまうのだろうか。接客のプロとして、どんなお客でも1人の客として扱ってほしいものだ。
「『私も持ってます』と『すごく売れてます』は買う気失せる」
「少しでも服に目を傾けただけで『こちらの商品はですね?』って強引に勧めてくる。正直逆に買う気失せるんだけど」
一番多いパターンが、よかれと思った声かけが逆効果になっているということ。たしかに、店員がその服を持っていたところで「ならば買おう!』と思うかは甚だ疑問だ。「売れてます」も他の人と被りたくないと思う人は逆に避けるだろう。積極的な商品説明も、営業臭さが目について嫌がられてしまうようだ。
「いらっしゃいませ」を言わない=「あなたが来る店じゃない」という意味?
「逆に買う気満々でお店の中で選んでいるのに、こちらがいることに気付いても『いらっしゃいませ』も言わずにファイルにずっと目を通している店員さんが気になる。どうせ見てるだけでしょーみたいな」
「お高めのお店に入ると店員に一瞥されて、さも『ここはあなたが来る店じゃない』と言わんばかりに『いらっしゃいませ』も言ってくれない時があります。気に入る洋服があっても絶対買いたくないです」
あまりしつこい接客をされるのも困りものだが、かといって接客を放棄したような態度も問題だ。「いらっしゃいませ」の声かけがなければ、客は歓迎されていない印象を抱く。全ての店にいえることだが、やはり最低でもこの一言は言うべきだろう。
「でも前より変な接客減ったと思う。 見ててもほっといてくれるところが増えたよ」
「私もそう思う!『 ついてこないでほしい』が 浸透してきた感じする」
かつてより接客が良くなったという声もわずかながら見受けられた。確かに、押し売りが基本とされていた時代から客の意思を尊重する営業に徐々に変化している。さらにショップバックの色を目印とした「声掛け不要バッグ」を用意するなど工夫する店も出てきた。お気に入りの服を見つけるためにも気持ちのいい買い物ができる環境であってほしい。