9月22日、新橋にあるタミヤプラモデルファクトリーにてプラスチックモデル『1/12スケールモデル ヤマハYZF-R1M』の発売を記念した開発スタッフトークショーが開催。会場にはYZF-R1の開発スタッフとプラモデルを開発したタミヤのスタッフが出演し、ここでしか聞けないトークでプラモデルファン、バイクファンを楽しませた。
9月15日頃に発売が開始となったタミヤの『1/12 YZF-R1M』は、現行の8代目YZF-R1の最上位モデルを忠実に再現したプラモデルだ。
2015年にフルモデルチェンジを果たした8代目YZF-R1は、開発コンセプトを先代までの『ワインディングロード最速』から『サーキット最速』に一新。ヤマハのMotoGPマシンであるYZR-M1の技術がふんだんに盛り込まれている。
レースでは、日本最大のバイクレースである鈴鹿8時間耐久ロードレースで、8代目がデビューした2015年から2018年まで4連覇を達成するなどの活躍を見せている。
トークショーは2部制で行われ、1部にはYZF-R1の開発責任者、平野啓典氏と8代目YZF-R1のデザイナー、坂田功氏が出演。8代目YZF-R1の開発秘話やデザイン時の裏話などが飛び交い、集まったファンは興味深く聞き入っていた。
2部では平野氏、坂田氏に加え、YZF-R1のプラモデルを開発したタミヤの荒木茂樹氏が登壇。話題は模型開発の裏話に移っていく。
『1/12 YZF-R1M』は、車体のディティールだけでなく、カウルやタンクを外した内部構造まで再現されている。メーターパネルの表示内容やスイングアームに刻印されている“R1”のロゴも実車のそれとほぼ変わらない。
これを実現するためには様々な難しさがあったと荒木氏は語る。
模型開発に当たり、ヤマハのコミュニティプラザで実車の取材を行った荒木氏は、カウルを外した状態の内部構造を見て「これ、どうやって設計したらいいねん」と感じるほど細かい作りに驚いたという。
模型設計で難しかった点について荒木氏は「内部構造の上にカウルを固定しなければならいことを踏まえて模型を設計することです」と語る。
「実際の写真と比べると中身の部分はかなり違いがでますが、実際に組み上がった時は、ポジションランプなど本物に近い形になっていると思います」
模型ではハーネス等の細かいパーツは省略されているものの、細いポジションランプやフロントのフレーム部分は本物と見間違うほど。完成した模型の内部構造を見た平野氏と坂田氏は、あまりの再現度に笑いながら驚いていた。
また、YZF-R1の特徴であるクロスプレーンエンジンの形やステップの細かい形状も3D CADを用いて設計。会場では設計中に作成された図形も披露された。
最後に、荒木氏は次のようにプラモデルへの思いを語る。
「ひとつひとつの部品の材質も感じられるように表現しました。例えばタンク、カウル、エンジンなどはいろんな材質でてきています。そういったところを表現しながら実際の性能を感じられる模型にしようと設計しています」
「(YZF-R1は)こういう構造しているんだと考えながら組んでいただけたらと思います」
このトークショーの模様はYouTubeのタミヤ公式チャンネルでも配信予定とのことだ。トークショーの内容を聞きながら模型作りを行えば、開発者のこだわりをより感じることができるかもしれない。
また、会場にはヤマハモデラーズクラブの作品も展示。作品のなかにはヘッドライトをLEDを用いて発光させたものも登場していた。
【製品概要】
シリーズ名:タミヤ 1/12 オートバイシリーズ
製品名:ヤマハ YZF-R1M
価格:4,000円(税抜)