近年、パワハラに対する関心が高まり、「会話をICレコーダーで録音」「パワハラを受けた内容と日時を記録」といった対策も広く知られるようになった。
ただ、自身ではなく同僚がパワハラに遭っているシーンを目撃したら、どういった対処をすれば良いのだろうか。はてな匿名ダイアリーでは9月13日に、「隣の部署の新卒が怒られてたんだけどさ」というエントリーが寄せられた。(文:宮西瀬名)
「普通にパワハラ事案なので、窓口があるなら言ったほうがよい」
投稿者の隣の部署の新人は、上司に「何度も同じことを言わせるな」「どうしてこんなこともできないんだ」と毎日怒られており、ネチネチ嫌味まで言われているようだ。そのため、当初あった覇気はみるみるなくなり、今では悲壮感さえ漂っているという。
その新人が無能だから上司に怒られているのかと言えばそうではなく、
「1年目は残業できない。スキルも当然まだまだ。そんな中、あの新卒はよくやってると思う。資料や電話対応を見ていても本当に一年目か?と思うくらい良く出来ている。他の新入社員と比べても、業務の幅は広く、量も多い」
と有能さを綴っている。そして、「溜め込んで今にも潰れそうだから、どうにかしてあげられないものかね」と新人を助けようと知恵を絞ったものの、どうしたら良いか分からず、はてな匿名ダイアリーで意見を募ろうとしたようだ。
寄せられた意見を見ると、やはり隣の部署に聞こえるレベルで叱るのは「100%パワハラ」といった声が多い。
「普通にパワハラ事案なので、窓口があるなら言ったほうがよい」
「パワハラ窓口にこっそりメールしろよ」
など会社の然るべきところに報告することを勧めるといったものが散見された。自分であれこれ動き回るより、担当部署に任せた方が話は早いだろう。
被害者以外がパワハラを指摘できるような環境作りを
体操パワハラ問題を見てもわかるように、明らかな暴力、暴言を「指導の一環」と捉える人もいる。周囲と当事者の認識が乖離しているケースもあるため、パワハラに遭っている同僚に手を差し伸べることは非常に難しい。
ただ、1人辞められてしまうだけで、一気に現場が回らなくなる企業も多い。正義感や優しさから「パワハラ被害者を助けたい」と思うのも素敵ではあるが、「人が集まらないからパワハラなんかで辞められたら困る」と考えている人も少なくないのではないか。
「自分が被害者になった時の対処法」だけでなく、「同僚が被害者になった時の対処法」を社内で明確にしておくことも重要であるといえよう。
投稿者はその後、アクションを起こすことを決意したようで、「人事にも世間話でそれとなく言ってもいいのかもしれない」などと書いていた。