9月20日、WEC世界耐久選手権は2019年9月から始まる2019/2020年シーズンのスケジュールを一部変更したとアナウンス。このなかで富士スピードウェイで開催される第2戦富士、翌月に行なわれる第3戦上海の開催日程を、当初のカレンダーから各1週間ずつ前倒しし、WEC富士と2019年F1日本グランプリの日程重複を回避している。
2018/19年シーズンの中盤戦を迎えているWECは今年8月、ル・マン24時間を最終戦とする2019/20年のシーズンカレンダーを発表したが、例年どおり10月開催となった富士ラウンドは、鈴鹿サーキットで開催されるF1日本グランプリと日程がバッティング。そのためF1とWEC、どちらかのシリーズが開催日を変更する必要に迫られていた。
しかし、年間21戦を予定するF1側は、日本グランプリを前後週に動かしてしまうと第15戦シンガポールGP、第16戦ロシアGP、第17戦日本GPまたは、第17戦日本GP、第18戦メキシコGP、第19戦アメリカGPというように3週連続開催となってしまうため、移動が不可能な状態に。
同時にWEC側も機材の移動時間の関係から、富士大会のみを移動することは難しいとされていたが、第2戦富士を10月13日から10月6日に前倒しするとともに、11月17日を予定していた上海ラウンドの開催日を1週間前倒しすることでこの問題を解決させた。
また、両大会の移動によって富士戦は、一部のドライバーが同時参戦しているIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ最終戦プチ・ル・マン(ロード・アトランタ10時間)との2年連続となる日程重複が避けられることとなり、上海ではF1ブラジルGPとF3世界一決定戦やFIA GTワールドカップなどが行なわれるマカオグランプリとのバッティングを回避している。
「(改訂した)2019/2020シーズンのカレンダーは、シルバーストンで発表したものと開催地とレースフォーマットを維持した点が最大の特徴といえる」と語るのはWECのジェラール・ヌーブCEOだ。
「F1の2019年スケジュールが発表されたことを受けて、我々はふたつのイベントの開催日を変更している」
「また、これによってIMSAのプチ・ル・マンとマカオグランプリとの競合を避けることができた。この事実はレースに参加する者にとっても、世界中のスポーツカーファンにとっても“ボーナス”と言えるものだろう」
今回新たに発表されたWECの2019/20年シーズンカレンダーは、10月12日にフランス・パリで開かれるFIA世界スポーツ評議会に提出される予定だ。
■2019/20年WEC世界耐久選手権 暫定スケジュール(9月20日時点)
Rd.DateCircuitFormat12019年9月1日シルバーストン/イギリス4時間22019年10月6日富士スピードウェイ/日本6時間32019年11月10日上海国際サーキット/中国4時間42019年12月14日バーレーン/バーレーン8時間52020年2月1日サンパウロ/ブラジル6時間62020年3月セブリング/アメリカ1000マイル(8時間)72020年5月3日スパ・フランコルシャン/ベルギー6時間82020年6月13~14日ル・マン/フランス24時間