2018年のスーパーGTも、9月15~16日に行われた第6戦スポーツランドSUGOを終え、いよいよ残すところ2戦だ。GT500クラスもGT300クラスもタイトル争いが絞られつつあるが、すでに2019年に向けた動きもあちらこちらで始まっているようだ。まだ明かすことができない部分が多すぎるため、あまりに伏せた文章になってしまい恐縮だが、その一部をご紹介しよう。
■“ミッドシップ・プリウス”の後継車は……!?
GT300クラスは、FIA-GT3車両とJAF-GT規定車両の2種類が存在するシリーズ。そのうち、JAF-GT規定車両は、JAF日本自動車連盟のレース車両規定に沿って車両が製作される。その第7章『グランドツーリングカー300』のうち、第5条『エンジン』の規定のなかには、下記の規定がある。
5.1)エンジンの型式および位置
基本車両と同一製造者のエンジンを搭載することができる。エンジンの取り付け方位、方向、位置は、前部隔壁より前方、または後部隔壁より後方であれば自由。
エンジンの搭載位置は基本車両から変更は認められない。当初のエンジンルーム内においてエンジンの取り付け方位、方向、位置は自由である。ただし、2016年以前に製造された競技車両のエンジンの取り付け方位、方向、位置は前部隔壁より前方、または後部隔壁より後方であれば自由
このうち、重要なのは『2016年以前に製造された競技車両のエンジンの取り付け方位、方向、位置』という一文だ。これは2015年8月に追加された文章で、2019年の規定ではこの一文は削除される。イコール、2016年までに製造された車両でも19年は出場できないということだ。
これに合致するのは、今のGT300出場車両のなかでは、aprのトヨタ・プリウスGTがあたる。このプリウスGTは外観こそプリウスだが、かつてフォーミュラ・ニッポン等で使用されたRV8Kをミッドシップに搭載し、ハイブリッドを備えている。ただ規定により、このミッドシップのプリウスGTは来季出場できないということだ。
これについてaprの金曽裕人代表に直撃すると、すでに来季に向けた車両製作に向けて「動き始めている」と明かしてくれた。詳細は教えてもらえなかったが、ベース車も含めてかなり挑戦的な車両になるよう。おそらく公開は、過去のプリウスGTと同様、2019年の東京オートサロンになりそうだ。
■もう新規参戦チームが決定済み!? 例年より早い動き
スーパーGT第6戦SUGOに先立つ9月14日、エントラント向けのミーティングが行われたが、このなかで『2019年に向けた新規参戦チーム』の紹介が行われたという。
このチームは『新規参戦チーム』にはなるものの、実はすでにスーパーGTにその名があるチームだ。使用するマシンは国産車で、GT300クラスに参戦。メンテナンスは過去にスーパーGTに参戦していたチームが担うことになるという。パッケージングからしてもかなり強力……というウワサが聞こえてきた。
また、このチームとは別にもう1チーム、アジアの強力なチームがスーパーGTへの参戦を画策しているとのこと。これまでも参戦のウワサがあったチームで、今度こそ参戦の実現はなるだろうか……!?
なお現在、スーパーGTは参戦可能な“枠”の問題があり、シード権が非常に重要となっている。ただSUGOで紹介されたチームはメンテナンスガレージに“枠”があり、アジアのチームは“アジア枠”に空きがあることから問題はないというウワサも。
さらに2019年に向けては車種変更のウワサがあったり、2020年に向けたタイヤメーカーに関する動きまでもが聞こえてきた。例年、多くのチームは残り2戦あたりから動きが出はじめ、最終戦前後にドライバーに対してのオファーや交渉がスタートするのが通常パターンだ。ただ、今季は例年以上に動きが早いように感じられる。
F1では年々“ストーブリーグ”の動きが早まり、いまや夏に大筋が固まる“ブールサイドリーグ”との異名も。今後最終戦の間までに、GT500やスーパーフォーミュラも絡めてますます動きが出てきそうな気配があり、GT300もその動きがどんどんと早くなっていきそうだ。