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【自民党総裁選】小泉進次郎氏の目論見はなんだったのか 石破氏支持の公表タイミングから透けるもの

2018年09月20日 18:21  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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安倍晋三首相と石破茂元幹事長氏が争った自民党総裁選は、9月20日午後に開票され、安倍首相の勝利となった。安倍氏が国会議員票329票、党員票224票を獲得。石破氏は国会議員票73票、党員票181票を獲得している。

両者の勝敗に加え注目されたのが、小泉進次郎氏の投票先だ。小泉氏は、党員票の投票が終わる19日まで、自身の投票先を明かしていなかった。

「自民党内の反安倍勢力」として今後もメディア露出が期待できる


自民党の総裁選は、党員票と、国会議員405人の投票の合計で決まる。党員票は、党費や会費を納める全国の都道府県の党員・党友約104万人の投票数を、議員票と同じ405票とみなし、両候補者の実際の得票数に応じて比例配分される仕組みだ。

党員投票は19日が締め切りで、国会議員の投票は、開票日である20日の13時から始められた。発言力のある小泉氏は、無派閥派の動向を左右する可能性が高く、安倍・石破どちらの陣営に付くかは注目を集めていた。

しかし小泉氏は、自身の投票が選挙戦に影響を与えるのは本意ではないという理由で19日まで詳細を語らなかった。石破氏への投票を明言したのは投票直前の20日昼頃である。

このタイミングで投票先を明かしたのはなぜか。落語家の立川談四楼さんはツイッターで同日、以下のようにツイートしている。

「『自らの投票行動が選挙戦に影響するのは本意ではない』との言い訳だが、それって安倍さんと国民にいい顔をし、しかも石破さんに恩を売り、実際には石破さんを勝たせたくないってことだよね」

石破氏の指示を早めに表明して負けてしまえば、党内で干される可能性もある。党員票に影響を出さないタイミングで石破氏指示を明かすことで批判を最小限に抑えつつ、「自民党内の反安倍勢力」として今後もメディア露出するという魂胆があったのかもしれない。小泉氏は2012年の総裁選でも石破氏に投票しているが、それを明かしたのは投票終了後だった。

内閣改造は10月初旬の予定 小泉氏の処遇に注目

開票後の会見で小泉氏は、石破氏に投票した理由について「違う声を強みに変える自民党でなければならない」と語った。しかし、投票先を明かしたタイミングがタイミングだっただけに、「だったらなぜ最初から言わなかったんだ?」「結局自己保身じゃねえか」と、疑問視する声も少なくない。

3選を果たした安倍首相の任期は2021年9月で、総裁選の結果を受けた党の役員人事や内閣改造は、10月初旬に行われる予定だ。善戦した石破氏や、石破氏支持を表明した小泉氏の処遇が注目される。