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「年収400万円でも幸福を感じられるならOK」に違和感 年収400万円のために四苦八苦するのが今の日本では

2018年09月20日 12:11  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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今、日本では格差が広がり、貧しい人が増えている。税額にあえぎ、年金の支払いに困り、毎日体に悪い粗悪なものしか食べられない人が山といる。

国税庁の調査によると2016年の日本人の平均年収は421万円程度である。これは様々な年代の平均であり、実際には働き盛りの30代、40代でもこの平均年収に満たない人が多数いるというのが今の状況だ。(文:松本ミゾレ)

年収400万円を「底辺」と切り捨てるのは横暴


先日、2ちゃんねるに興味を引くスレッドが登場した。「人間の能力は、幸福度だと思う。年収400万円の底辺でも幸福を感じられるなら、すげー奴なんだよ」なるスレッドがそれだ。

ちょっとスレッドの文章がおかしいところがあるが、要は人間は貧乏でも幸福だと思えるなら実際に幸せで、それができる人は凄いのだ、という趣旨の話をしたいようだ。で、僕が違和感をおぼえるのが「年収400万円の底辺」という部分である。この言葉にどうにも「あ、わかってねえな底辺のこと」を感じざるを得ない。

冒頭でも触れたが、現在の日本では、平均年収はたかだか400万円台前半なのだ。この額面を底辺と切り捨ててしまうことは横暴に近いものを感じてしまう。

大体今の時代400万円を稼ぐためにかなりのストレスを抱えている人も多い。たかだか400万円程度の金を手にすることにすら、心の持ちようだの幸福と感じる才能だの、そういった妄言なんかいちいち当てはまらないほど苦労をしている人たちがいる。年収400万円だけど、その分仕事は忙しくなくて余裕がある、なんてことは滅多にない。

「400あったらまだマシ。ハロワ見に行ったら年200未満の酷いのも普通にあるよ」

当然のことながら、このスレッドにはタイトルへの反論の書き込みが山のように押し寄せている。ここでいくつか引用して紹介しておきたい。

「年収400万円って底辺じゃないだろ」
「400あったらまだマシ。ハロワ見に行ったら年200未満の酷いのも普通にあるよ」
「年収400万って今じゃ結構な上位だぞ」
「昔は年収400万でも生活楽だったしバイクも毎年のように買い換えられてたが、今はカツカツだよね。税金年金社会保険料払うために働いているようなもんだわ」

実際に年収400万円世帯っぽい人も書き込んでいるようだが、やっぱり年収400万はしょせん年収400万なのだ。平均年収程度の額面では、できることよりできないことの方がはるかに多い。

日本においてお金の余裕は精神の余裕に直結する要素だ。そんなに軽く見ることはできない。まして年収400万の世帯というのは、貧困とすら言えない。実際には年収がそれ以下で、しかも結婚もして子供もいるという世帯もゴロゴロしている。

そうなれば精神的にもますます負荷が強まる。「貧しいけど、幸せだね」と言える人もいるかも知れないが、そんな余裕はないという人が多数だろう。僕にしてみれば、「年収400万の底辺でも幸福を感じられるならOKなんだよ」なんて言っている人が無責任で、ある意味幸せに感じる。