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スーパーGT:スバルBRZが2018年の苦戦払拭するポール・トゥ・ウィン。3位争いは0.057秒差の死闘

2018年09月16日 18:01  AUTOSPORT web

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2018年のスーパーGT第6戦SUGOでGT300クラスを制したSUBARU BRZ R&D SPORTの井口卓人と山内英輝
2018年のスーパーGTは9月16日、スポーツランドSUGOで第6戦の決勝レースが行われ、スーパーGT300クラスはSUBARU BRZ R&D SPORTがポール・トゥ・ウィンで2018年初優勝を達成。また、3位争いはわずか0.057秒差の激戦となった。

 15日(土)とは一転、朝から青空が広がったSUGOの決勝日。この影響で気温も上昇し汗ばむような陽気となった。

 81周の決勝レースは定刻の14時にスタート。ポールポジションのSUBARU BRZ R&D SPORTを先頭にレースは幕を開けた。なお、クラス26番手スタートだった30号車TOYOTA PRIUS apr GTはピットスタートを選択している。

 オープニングラップではHOPPY 86 MCとGULF NAC PORSCHE 911による2位争いが白熱。1~2コーナーではHOPPY 86の坪井翔がポジションを守ったが、バックストレートでGULF NAC PORSCHE 911の石川京侍が攻略に成功。

 坪井はその後、最終コーナーの立ち上がりでGAINER TANAX triple a GT-Rにもオーバーテイクを許し、1周目でふたつポジションを落としてしまう。

 その後はHOPPY 86を交わしたGULF NAC PORSCHE 911とGAINER TANAX triple a GT-Rによる2位争いが白熱した一方、首位のスバルBRZは逃げの体勢に。12周を消化した時点で早くも8秒ものギャップを築いてみせた。

 ポルシェとGT-Rによる2位争いはGAINER TANAX triple a GT-Rがオーバーテイクに成功して勝負あり。一方交わされたGULF NAC PORSCHE 911はペースが上がらず、12周目にはHitotsuyama Audi R8 LMSにも交わされ4番手に交代している。

 首位のスバルBRZが16周目に入ったころ、3番手を走行していたHitotsuyama Audi R8 LMSがピットイン。左リヤタイヤにパンクが起きたための緊急ピットインで、タイヤ交換と給油を行いコースに復帰したが、パンク時にインナーフェンダーを傷めており、それがアウトラップでタイヤに干渉してしまう。再度ピットへ戻るとガレージにマシンを入れての作業が行われた。

 23周目、LEON CVSTOS AMGとレース序盤に追突されスピンしたUPGARAGE 86 MCがピットイン。翌周にはARTA BMW M6 GT3など、GT300クラスはぞくぞくとルーティンのピットインを行っている。

 また24周目には予選4番手だったマッハ車検 MC86 Y’s distractionがピットに戻ると、そのままガレージへ入ってしまい、戦線離脱を余儀なくされた。

 トップを走るスバルBRZの山内英輝は30周を終えたタイミングでピットイン。タイヤ交換と給油、ドライバー交代を43.3秒で終えてコースへ戻っていった。

■レース残り10周でセーフティカー導入。3位争いはスリーワイドの三つどもえ

 周回数が40周目に突入した段階で、GT300はHOPPY 86がトップ。2番手にK-tunes RC F GT3、3番手EXE AMG GT3、4番手埼玉トヨペットGreenBraveマークX MC、5番手arto RC F GT3といったトップ5だが、この5台はピットを行っておらず、実質的なトップは6番手のスバルBRZだ。

 暫定首位だったHOPPY 86は41周目に入るところでピットイン。25秒の作業時間でピットを終えると暫定9番手でコースへ復帰している。

 最後までルーティンのピットを引っ張っていたEXE AMG GT3は51周を終えたところでピットへ。全車がピットを終えると、スバルBRZがふたたびトップへ返り咲いた。そのスバルBRZと、13.624秒差の2番手はGAINER TANAX triple a GT-R、3番手はグッドスマイル 初音ミク AMG、4番手はマネパ ランボルギーニ GT3、5番手はGULF NAC PORSCHE 911が続いている。

 トップが56周目に突入したころ、17番手を走行していたHOPPY 86が突如スローダウン。ゆっくりとしたペースでセクター3を走りきると、そのままガレージへ姿を消した。

 首位のスバルBRZが62周目に突入したタイミングで、31号車TOYOTA PRIUS apr GTとK-tunes RC F GT3がSPインコーナーへの飛び込みで接触。アウト側にいて、弾き飛ばされる形となった31号車プリウスはグラベルを越えてアウト側のスポンジバリアに衝突。マシンがバリアに埋まってしまった。

 このアクシデントによってGT300クラスで64周目、GT500が残り11周というタイミングでセーフティカーが導入。スバルBRZが築いてきたマージンは一度リセットされることに。

 車両回収や隊列の整理などを終えて、レースはGT500の周回で残り6周で再開。スバルBRZの井口は、このリスタートを危なげなく決めて首位の座をキープすると、そのまま逃げ切り、トップチェッカー。これまでの悪い流れを断ち切るポール・トゥ・ウィンで2018年シーズン初優勝を飾った。

 また、その後方では3位争いが激化。初音ミクAMGとマネパ ランボルギーニ、Modulo KENWOOD NSX GT3がパックになって最終コーナーを立ち上がると、Modulo NSXがイン側、初音ミクAMGが中央、マネパ ランボルギーニがアウト側に広がるスリーワイドでフィニッシュラインを通過。わずか0.057秒差で初音ミクAMGが表彰台を確保、4位にModulo NSX、5位にマネパ ランボルギーニが入る結果となった。

 スバルBRZに続く2位はGAINER TANAX triple a GT-Rが獲得している。

 チェッカーを受けた井口は「この2018年シーズンはトラブルで結果が出せていなくて、チーム一丸で挑んだレースでした。ファンの前で勝てたこともうれしいですし、なによりもメカニックの努力が報われたことがうれしいです」とコメント。

 ポールポジションスタートから順位を守りきった山内は「いろいろなことがあって、毎回毎回メカニックの方が懸命に働いて走れるようになって。それでも、またいろいろな起きるといった展開が続いてたので、本当にうれしいです。最高の週末でした」と喜びを語った。

 2018年シーズンのスーパーGTは残り2戦。シリーズに年間エントリーしている車両は、次戦からウエイト係数が軽くなり、ポイント×1kgのハンデとなる。

 スーパーGT第7戦は10月20~21日、九州のオートポリスで行われる。