WRC世界ラリー選手権第10戦トルコは9月15日、デイ3のSS8~13が行なわれ、相次ぐアクシデントを避けながら上位に進出してきたオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合首位に浮上。チームメイトのヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)も総合2番手につけ、トヨタがワン・ツー体制を築いている。
■Mスポーツ・フォード
●セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC) デイ3総合12番手
「今日は本当にタフな1日だった。(SS11でのクラッシュについて)たぶん、これまでのキャリアでもっとも愚かなミスのひとつを起こしてしまった」
「それはかなりタイトに左に折れていくストレートが後に続く、きつめの右コーナーの出口で起きた。大きく減速してコーナーに入ったが、ジュリアン(・イングラシア/コドライバー)の無線を注意深く聞いていなかったから、ブレーキングが遅くなりすぎてしまったんだ」
「僕らは大きくスライドし木にぶつかったところ止まった。幸いマシンのダメージはなかったから、移動することはできたんだ。しかし、バックして前進しようとしたら、地面が柔らかくマシンが沈んで抜け出せなくなってしまった」
「午前中はどうにかラリー戻るための戦いだった。散々だったよ。だけど、レースに戻っていくらかでもポイントを獲得するために戦うことができた。あのミスが起こらなければ、たぶん首位にいただろうね……」
「現時点では、僕らの思い通りに物事が進んでいないけど、それがモータースポーツだ。悪い日があっても、またすぐにいい日がやってくるはずだ」
●エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC) デイ3総合7番手
「今日はすごくいい1日だった! 僕らはかなり慎重にラリー取り組んでいて、不必要なリスクはひとつも取らなかったんだ」
「それでもタイムはかなり期待が持てるもので、それなりにいいポジションに戻ってこれたよ」
●テーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC) デイ3総合4番手
「今日もまたすごくラフで難しい1日だったけど、すべてうまく対応できたと思う」
「ドライビングでは安全なペースを保つように心がけていた。それがトラブルを回避できた要因だね。もちろん、もうちょっとペースを上げることもできそうだったけど、僕らは“掃除役”だった。まだ学ぶべきことがたくさんあるよ」
■シトロエン・レーシング
●カリッド-アル・カシミ(シトロエンC3 WRC) デイ3総合16番手
「タフだった午前の走行の後、チームとセットアップを調整したら、午後は大幅に感触が良くなった」
「インターコムにいくつかトラブルがあったけれど、ペースを上げることができたよ」
■ヒュンダイ・モータースポーツ
●アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC) デイ3総合5番手
「言うまでもなく、僕たちはとても落胆している……。ランチタイムサービスに入るところでは充分なリードを広げていたし、すべてをコントロールできていると感じていた」
「SS11のスタートで、右フロントのドライブシャフトにトラブルがあることがすぐに分かったんだ。後輪の駆動の様子から、首位を賭けて戦うことはもう不可能だと分かった」
「ステージを最後まで走り終え、その間トラブルを解決するためにできることをすべてやった。進み続けることが重要で、僕たちはそうしていった」
「サービスまでたどり着いたということは、総合5位は確保できるということだ。それに明日はチームにとって重要なポイントを争うことができる。そうは言っても、本当はこのラリーでは優勝できたはずだったと思っているんだけどね」
●ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC) デイ3総合19番手
「今日はラリーからリタイアしなければならなくなってがっかりだよ。前向きな気持ちで、首位から1日をスタートしたが、オープニングステージのゴール手前たった8キロのところで、パンクしたのを感じたんだ」
「マシンはゆっくりとしか曲がらなくなった。すると、突然ボンネットが動き始めてダンパーが飛び出て、大きなトラブルに見舞われたことが分かった。ステージを終えてマシンを修理しようとしたけれど、ラリーを続ける望みはなかったよ」
「本当にがっかりしているけれど、これもゲームの一部だし、ラリーの一部なんだ。特に今週末僕たちが直面しているようなラフなコンディションではね。僕たちにできることは、パワーステージで最大限のポイントを獲得することを目指し、日曜日に挽回するだけだ」
●ヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC) デイ3総合3番手
「今日は本当に大波乱だった! 僕たちは計画に忠実に進んでいったが、それがうまくいった。昨日はほとんどうまくいかなかったけれど、今回は金曜に比べて違うラリーのような感じがしていたんだ」
「路面がよりルーズだったし、特にタイヤには厳しかったね。午後の走行では、僕たちのタイヤはほとんどすり減っていたから最後まで慎重に進まなければならなかったんだ」
「そうしたことは前のラリーで学んでいたんだが、早くに加速しすぎるとコースを外れてしまうんだ。ステージタイムを見たときはもどかしい思いがしたけれど、あれは良い戦術だったと思う」
「総合3位につけてうれしいけれど、チームメイトたちがそれぞれこのラリーでのリードを諦めなければならなかったのは残念だよ」
■トヨタ
●ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC) デイ3総合2番手
「我々にとって良い1日だった。特に午後はフィーリングが良く、全体的にクルマはよく動いてくれていた」
「このラリーではドライビングの微妙な限界域を見極める必要があるんだ。路面のグリップが良い所では限界まで攻めることができるが、石が多かったり凹凸が激しい路面ではクルマは簡単にダメージを負ってしまうので注意しなければならない」
「明日は心を冷静に保ち、一貫性のある走りを続けることが重要だと考えている」
●オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC) デイ3首位
「全体的にとてもポジティブな1日だったと思うよ。このラリーで勝つために重要なのは速さではなく、信頼性と問題を起こさないことだと最初に言ったはずだ」
「実際に僕とヤリ-マティは大きな問題を抱えることなく走り続け、そして現在この順位につけているのだから順調だと言えるだろう」
「ただし、明日はまだ4本ステージが残っているし、今日の予想外の展開を鑑みると、いろいろなことが起こる可能性が充分にある。最後まで集中力を失わなず、良い結果を持ち帰りたいと思う」
●エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC) リタイア
「非常に困難な午前中となってしまい落胆している。日中のサービス直前のステージで、ペースノートに記したコーナーの情報が少し甘かった」
「そのため、フィニッシュまであと2kmという所でコーナリングラインが膨らみ、路肩にスタックしてしまったんだ。クルマには問題はなかったのだけどコースに復帰する事ができず、それから20分後にクルマが路肩から滑り落ちてしまった」
「できれば明日は再出走し、このラリーでの走行距離を増やしたいと思うよ」
*編集注:トヨタは後に、ラッピ車の修復を断念しリタイアさせることを発表している。