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GT300予選《あと読み》:ウエイトハンデ最重の状態が作った予選順位。決勝は「読めない」が多数意見

2018年09月16日 10:31  AUTOSPORT web

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スポーツランドSUGOでのスーパーGT第6戦でGT300ポールポジションを獲得したSUBARU BRZ R&D SPORT
今季これまで完走1回。その1回が表彰台ではあったものの、2018年は苦難のシーズンを送ってきたSUBARU BRZ R&D SPORTが、波乱が多いスーパーGT第6戦SUGOのポールポジションを射止めた。

「吐きそうなくらいの重圧でした(笑)」と山内英輝が言うとおり、今回のSUBARU BRZ R&D SPORTはダンロップのパフォーマンスも含めて非常に高く、ドライバーたちが重圧のなかでそのポテンシャルを引き出してのポール獲得と言える。もともとSUBARU BRZ R&D SPORTは本来今季ポテンシャルが高く、その意味では納得のポールポジションと言えるだろう。

 今回のSUGOではもともとGT300マザーシャシー、特にHOPPY 86 MCがポールポジション獲得を有力視されていたが、その点で2番手は納得の順位。ただ今回の予選順位を見ると、HOPPY 86 MCをのぞけば今季これまで苦戦していたマシンが数多く上位に入っている。

 その理由をさまざまな関係者に聞いてみたが、その理由はこのSUGOは「ウエイトの感度がすごく高い」のが原因のようだ。今年は特に、ウエイトハンデがシーズンでもっとも重い状態で迎えているだけに、それがこの順位を演出しているよう。

 たしかに上位陣を見ると、3番手のGULF NAC PORSCHE 911はハンデウエイト0kg。4番手のマッハ車検 MC86 Y’s distractionも0kgで、ポールのSUBARU BRZ R&D SPORTも、不運が続いた影響もあって22kgと比較的軽い。ランキング上位勢はいずれも予選は苦しんでいる。


 そのなかで2番手のHOPPY 86 MCは70kgというウエイトを積みながらも2番手を達成したのは、チームの土屋武士監督いわく「ここはドライバーでタイムを出すコースだから」だという。

 土屋監督にとっての武器は、SUGOを圧倒的に得意とする松井孝允の存在だ。今回Q2でトップ3を占めた山内、松井、そして久保凛太郎という3人のドライバーはいずれも「SUGOは得意」と公言していることからも、それは裏付けられるだろう。

 GULF NAC PORSCHE 911は前戦富士からセッティングの手ごたえを見つけていたようで、今回は「走り出しから速かった(久保)」という。

 ダンロップの性能とミッドシップのパフォーマンスで6番手につけたのがHitotsuyama Audi R8 LMS。富田竜一郎がピットアウト後、「シフトアップしているときに何か感触が変だった」とスピンを喫したが、冷静に対処しタイムを出してきたのはさすが。

 また、多くのチームの関係者から、74kgというウエイトを積んでのGAINER TANAX GT-Rの7番手、また68kgを積んでのグッドスマイル 初音ミク AMGの8番手も「すごく頑張った結果だと思う」と賞賛の声が出ている。

 ちなみに、31号車TOYOTA PRIUS apr GTは、平手晃平のアタック中に前走車に引っかかってしまったり、「まとめきれなかった」という部分もあった様子。ただ、今季31号車は決勝に強い。巻き返しは充分に考えられるだろう。

 なお、今回は初めてGT300で予選で組分けも採用された。平手のような例もあったが、「引っかかってタイムが出せないということがないのは、気分としてはいい(片岡龍也)」と概ね好評のようだ。

 そして「明日は僕たちドライバーが、メカニックのみんなの頑張りを結果でかえせるよう、いい走りをしたい」と井口卓人が語るとおり、大事なのは決勝だ。

 ただこれについては、多くの関係者に聞いても「天気と展開次第」となかなか予想がつきづらい。今回の予選の順位も、いずれも僅差のなかでの結果なので、展開がまた変わることも予想されるだろう。特にタイヤへも厳しいコースだけに、展開はまったく予想がつかない。

 先述のようにウエイトハンデがシーズンで最も重い状態で迎えるレースだけに、予選順位も今季のこれまでとは様相が違う。当然、バトルの“間合い”も違うだけに、何が起きるか分からないのが多くの意見だ。今は不要に荒れたレースにならないことだけを願いたい。