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パスカル・ウェーレインが、2018年限りでメルセデスとの契約を終了。F1復帰の見通し立たず

2018年09月16日 05:41  AUTOSPORT web

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メルセデスの育成ドライバーだったパスカル・ウェーレイン
メルセデスは9月15日、2018年限りでパスカル・ウェーレインとの契約を終了すると発表。6年に渡る関係に終止符を打つとアナウンスした。

 1994年生まれのウェーレインは、2013年にメルセデス・ベンツからDTMドイツツーリングカー選手権に史上最年少ドライバーとしてデビューした。翌年にはシリーズ初優勝を遂げると、2015年にDTMのチャンピオンに輝いた。
 この戦績が評価され、2016年にはメルセデスの支援を受けてF1へステップアップ。当時のマノーからF1デビューし、2017年にザウバーへ移籍した。彼は両チームにおいてチャンピオンシップポイントを獲得している。

 しかしながらザウバーがアルファロメオと新たに提携した際、彼のメルセデスとのつながりが不利となり、F1でのシートを失うことになった。今年、彼はDTMに戻り、残り2大会を残した段階でランキング8位につけている。

 ウェーレインはメルセデスのサポートのもとで2019年にF1に復帰できる見込みがないことから、双方はパートナーシップの解消を決断した。

「僕のメルセデスとの契約は2018年シーズン末で終了する。僕たちは双方ともこれ以上契約を継続しないことを決めた」とウェーレインはコメントした。

「これまで僕をサポートしてくれた、シュトゥットガルト、アッファルターバッハ、ブラックリーのみんなに感謝したい」

「今は次のステップを踏み出すときだ。新たな挑戦とチャンスを探している。現在は他のチームと来シーズンのシートについて話をしているところだ」

「これまでメルセデスがサポートしてくれたことを心から感謝している。メルセデスのゲルハルト・アンガーとノルベルト・ハウグに会ったのは2012年のことで、その時、2013年からDTMへ参戦することが決まったんだ。幼いころからの夢がかなった瞬間だったよ」

「そして、F1への扉も開いてくれた。マノーとザウバーで2シーズンを過ごし、そこでポイントを獲得したときは格別の思いだった。これまで僕をサポートしてくれたすべての人に感謝している。ただ、互いに新たなステップを踏み出すときが来たんだ」

■メルセデスボス「ウェーレインに有力チームのシートを提供できない」と認める

 メルセデス・モータースポーツの指揮を執るトト・ウォルフは、「残念なことに、我々は来年に向けてパスカルに競争力のあるドライバーシートをオファーすることができなかった」とコメントした。

「彼のためにも、パスカルと我々の契約を延長しないことをともに決断した。彼がどこかで才能に見合う機会を確保するための、最高のチャンスを与えるためにだ」

「我々のジュニアプログラムは、若い才能を支援し、ドライバーのキャリアのためになるチャンスを探すことに意義がある」

「トップへの道はいつもまっすぐなわけではない。関係を解消するべきときなのだと、認めなければならないこともある」

「メルセデス・ベンツにおける彼の近年の素晴らしいパフォーマンスに感謝したい。彼の将来の成功を祈っている」

 メルセデスはもうひとりの若手傘下ドライバーであるエステバン・オコンについても、F1グリッドでの居場所を見つけるのに苦戦している。オコンは2018年末でフォース・インディアでのシートを失うことになるとみられている。

 トロロッソ・ホンダの2019年のドライバーラインアップはまだ決定していないものの、チーム首脳陣はオコンを候補から除外しているようだ。チーム代表のクリスチャン・ホーナーとモータースポーツコンサルタントのヘルムート・マルコが、トロロッソにメルセデス傘下ドライバーを起用することはないだろうと話しているのだ。

 また、メルセデス傘下のドライバーとしては、FIA F2で現在ランキング首位のジョージ・ラッセルもF1昇格のチャンスをうかがっている。