F1第15戦シンガポールGPの週末が始まりました。ある程度2019年のシート状況が確定し笑顔を見せるドライバーがいる一方、シートを失う可能性が高いドライバーたちはどんよりした雰囲気です。今週末もムッシュ柴田氏が現地の様子をお届けしていきます。
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F1史上初のナイトレースと騒がれたシンガポールGPも、今年で早11回目を迎えます。ルノーのあのクラッシュゲート事件が起きたのが第1回目の2008年だったわけで、あれから10年が経ったんですね~。でもこのグラン
プリの独特な雰囲気は、けっこう好きです。
今回は夜行便で、シンガポールに早朝着きました。ホテルでアーリーチェックインができたので2時間ほど仮眠を取ってから、まずはシンガポールの海鮮料理で腹ごしらえ。
茶色いのは、甘辛く煮付けたビーフン(米麺)です。これで400円。安い、美味い!!
シンガポールGPはヨーロッパ時間で動くので、12時過ぎのこの食事は実質的には朝ご飯です。そのまま歩いてサーキットに向かうと……。
パドックの様子が去年までと違ってます。なんとまあ、各チームのホスピタリティが、全て二階建てになってるのでした。プレハブ仮設建築とは思えない、しっかりした造りです。
ホンダなんて、大きなHマークが掲げられ、まるでフルワークスチームみたいでした。
などとのんびり建物探訪をしてるヒマはなく、話題のドライバーたちの話を聴きに走りました。まずはフォース・インディアのエステバン・オコンです。
2019年シーズンのシートが決まらないオコンの囲み取材には、前戦イタリアGP同様にたくさんの報道陣が集まりました。でも前回との大きな違いは、オコンの表情にすっかり精気がなくなっていたことです。内輪のフランス語囲みになった時に特に顕著だったのですが、「ベストを尽くしてるし、ちゃんと結果も出してるのに、どうしてこんなことになってしまったんだろう」と、嘆き始めたのです。もはや本人は、来季のシート獲得を、ほとんどあきらめてる感じでした。
一方、一発逆転ホームランをかっ飛ばしたのが、フェラーリのキミ・ライコネンです。いや~このまま引退かと思っていたら、まさかザウバーに戻るとは。
しかも、2年契約。そのあとはザウバーの管理職も視野に入れてるという噂も出てるし、さすがです。FIA会見中も、終始ニッコニコ。隣のルイス・ハミルトンも、「このオヤジ、しぶといな~」と、つられて笑顔でした。
そして弱冠20歳でフェラーリに大抜擢されたシャルル・ルクレール。こんなにも若く、しかもそれ以前にF1でほとんど実績を上げていないドライバーのフェラーリ入りは、マクラーレンでわずか1戦走ったあとにフェラーリに移籍したジル・ビルヌーブ以来かと。
ジャン・アレジはどうかなと思ったんですが、ティレル時代に何度も表彰台に上がってますしね。「ベッテルのナンバー2になるつもりはないよ。、そもそも契約には、そんなこと書いてないし」と、さっそく頼もしいことを言ってました。
一方、一足先に夏休み中にレッドブル昇格が決まったピエール・ガスリーは、「今は今季の最終戦までのことしか考えてない」と言ってましたが、そうは言ってもしっかり2019年の準備は怠りないようです。
この数時間後にはレッドブルに出かけて行って、リカルド車のコクピットでシート合わせしてるのを、熱田カメラマンがスクープ撮影に成功してましたしね。
ところでガスリーの後任は、一体誰になるのでしょう?
シンガポールのパドックにはセバスチャン・ブエミが来てたけど、いや~彼はないと思うな。
トロロッソの関係者も、否定的でした。「昔の名前」関係では、むしろダニール・クビアトの方が可能性は高いかと。まあ、何でもありの世界ですけどね……。